食品添加物「リン酸」の摂り過ぎに注意

気をつけたいのは「カルシウムの摂り過ぎよりも、リン酸の摂り過ぎ」と青江先生。「リン酸」は食品添加物として、清涼飲料水やコンビニのお弁当などによく含まれている。

「骨の成分として『リン』は必要です。カルシウムとのバランスが丁度いいと、ちゃんと骨に入っていきます。でも、リン酸だけ多くてカルシウムの摂取が少ないと、バランスが崩れてカルシウムが体から出ていってしまうんです。

チーズなどの乳製品は、カルシウムとリンのバランスがいいので問題ないのですが、カルシウムが入っていないのに、リンだけ多いものには注意した方がよいでしょう」

骨によい生活にリセットしよう!

健康な骨づくりのためには、どんな運動をしたらよいのだろう?

「基本的には階段の上り下りがいいといわれます。それから、ひとつのスポーツを集中的にやるよりは、飛んだり跳ねたり蹴ったり、いろんな運動をした方がいい。水泳は筋肉はつきますが、骨に重力がかからない。サッカーや野球、バスケなど、重力がかかる運動が効果的です」

無重力の宇宙空間に長くいると、骨が弱くなることが知られている。体にラクな生活は骨を弱くする。畳の生活から椅子の生活に変わったことで、昔と比べて骨にかかる負荷が減っていることも、骨への影響がかなり大きいという。

座ったり立ったりする。荷物を持つなど重力を加えて歩く。エレベーターは使わない。自分を甘やかさず、より体に負荷のかかる手段を選び、日常生活を“骨づくりの場”とする。できることはたくさんありそうだ。

「睡眠と、それからストレスを溜めないことも大事。あとは日光浴です。カルシウムの吸収にはビタミンDが必要です。食事からも摂れますが、日陰でよいので外に出た方がよいでしょう。また、骨を作るリズムも重要なので、朝食と朝の光で体内時計をリセットすることも大切です」

スマホなどの青い光は体内時計を狂わせるので、夜は極力控えたほうがいいらしい。

年を重ねるにつれて誰しも骨の量は減少していく。しかし、「MBP」を積極的に摂取したり、運動したりといった努力をコツコツと続けることで、骨量を維持でき、増やすことも夢ではない。
「もう遅いかも」とあきらめず、今日からあらためて強い骨づくりを始めてみては?

<出典>
※ 日本生命保険「骨折発生率の年次推移」

ライター/女子栄養大学 食生活指導士1級。学生時代からさまざまな体調不良に悩まされたこともあり、健康的な生活習慣について学び始める。現在は専門家を中心に取材活動を行い、おもに食、健康、美容、子育てをテーマにした記事を発信。乗りもの好きな1男の母でもある。