岡本かの子・40歳 ~夫と愛人と一緒に旅行!?~
最後にご紹介したいのは、あの「芸術は爆発だ」で有名な岡本太郎の母であり、作家で歌人、仏教研究科でもあった「岡本かの子」です。彼女は特別美人、というわけではないのですが、モテエピソードはそれはもうすさまじいです!(笑)
幼少時から父や兄に溺愛され、夫となる漫画家の岡本一平は洪水の中をやって来てプロポーズ。結婚後も、夫公認で自分の愛人と同居をしていたようです。
無くなったのは49歳とその生涯は短いですが、本格的に小説を発表するようになったのは、亡くなる3年ほど前から。
激しく情熱的な人生を送った彼女でしたが、そんなかの子にとっての転機は、40歳であったと思われます。
昭和4年、かの子が40歳の時、彼女はヨーロッパを見聞するたびに出ます。この時代に海外に行くことは、今では考えられないほど大冒険であったようです。超人気漫画家である夫に同行するという形をとったらしいのですが、そこに息子の太郎だけではなく、愛人も同行させたのです! そのことに、夫も息子の太郎も納得している。
帰国後、かの子は外遊の成果を花開かせ、まずは仏教研究家としてスターの地位を得て、次第に本当の目的であった小説も認められるように。次々に秀作を世に送り出し、まさに時代のスターとなっていきます。
かの子の行動は確かにめちゃくちゃですが、夫の一平が人気漫画家として成功し、放蕩を繰り返した時期などもあり、心を病んだこともあるので、理由はあるのです。
自分が欲しいものや勉強したいことに対してはいつも貪欲に求め、傷つくときは、全身で傷つく。そんな姿に、男性たちはメロメロになってしまったのかもしれませんね。彼女のようにひた向きすぎるくらい、ひた向きに生き続け、男性に愛された女性がいたなんて、今ですら中々信じることができません……。
いかがでしたか? 女性には結婚・出産以外にも、驚くような転機がいくつか訪れるものなのかもしれません。
それは一見、ハッピーに思えるものでも、実は思わぬ落とし穴に突き落とされるものだったり、ご飯が食べられなくなるくらい辛い物だったりすることも、あるのだと思います。
でも本書に登場した女性たちは、驚くようなパワーと共に、逆境をプラスに変えている人が多かったです。本の中ではまだまだ、たくさんの女性たちの転機が紹介されています。良かったら読んでみてくださいね。