初恋にして許されざる片思い/『夜ノヤッターマン』のレパード(ドロンジョ)
最近、テレビ放送を終えた作品で、これまた私好みの片思いの姿が描かれた作品として……そして"少女の初恋"という点から、この『夜ノヤッターマン』を紹介させていただきます。
タツノコプロの人気アニメ『タムボカン』シリーズの2作目で、平成に入ってもリメイク版や実写版が作られるなど屈指の人気を誇る『ヤッターマン』の外伝的な続編である『夜ノヤッターマン』。
正義の味方、ヤッターマン1号2号が悪のドロンボー一味を撃退し、この世に平和を取り戻してから長い年月を経た世界。ヤッターマンが築いた国家ヤッター・キングダムの悪政によって人々は苦しめられている……という、オリジナル作品のファンにはショッキングな展開によって物語は幕を開けます。
そんなヤッターマンに戦いを挑むことになる、本作の主人公は『ヤッターマン』に登場した3悪人、ドロンジョ、ボヤッキー、トンズラーの子孫であるレパード、ヴォルトカッツェ、エレパントゥスの3人による"新生ドロンボー"。
オリジナルでは妖艶な美女だったドロンジョのポジションであるレパードは未だ9歳の少女という驚きの新設定に。ボヤッキー、トンズラーの末裔であるヴォルトカッツェとエレパントゥスは、そんな彼女の保護者役的なキャラクターです。
さて、そのレパードですが、彼女は打倒ヤッターマンの旅において、ひとりの少年と出会います。その少年の名前はガリナ。ヤッター・キングダムで、幼馴染の少女アルエットと一緒に暮らす男の子で、彼もまたヤッターマンの悪行に抗うべく、ドロンボー一味と行動を共にすることになります。
そして、その旅の途中でレパードは、徐々にガリナに惹かれていき、彼に対して人生初の恋をすることになるのですが……しかし、哀しいかな、その恋は決して叶わない、いや、叶ってはいけない恋だったのです。
そもそも、何故、正義の味方であったはずのヤッターマンが人々を苦しめていたのか? その謎が明らかになった時、そして、その事実に新生ドロンボーとガリナ、アルエットが立ち向かうことを決心した時、レパードの恋は静かに終わりを告げることになります。
この辺りの終盤におけるストーリー展開とレパードのキャラクター描写は、本当に泣けます……。興味がある方は、まずは公式で無料配信されている第1話をご覧ください。
数々の新設定を用いつつも「アラホラサッサー!」や「ポチッとな!」などの『ヤッターマン』の鉄板ギャグは勿論、本作でも健在! 更に、『新造人間キャシャーン』『マッハGoGoGo』といった他のタツノコ作品のパロディも登場するなど、往年のファンも楽しめる作品となっています!