子どもに前向きな期待を持つ「具体的な方法」とは?
子どもには前向きな期待を持って接することが大切。
そうは言っても、
「やっぱり子どもに対して前向きな期待が持てない…」「ネガティブに考えてしまう…」というママも少なくないでしょう。
植木先生は、子どもに前向きな期待を持てないのは、『何事も平均値(もしくは平均値以上)を期待しすぎているからでは?』ということを指摘してくれています。
たとえば、「勉強もある程度できて、スポーツもある程度できて、明るくて、社交的で、友達ともいつも良い関係を築ける」…こんなできた子どもは、まあ滅多に存在しないわけです。
ところが、そんな「平均的になんでもできる子」を親は望みがちです。心当たりはありませんか?
そして、この中のなにか一つが欠けていると、そこばかりが目について「うちの子は本当にダメ!」となってしまいます。
『子育ては、平均値を望むのではなく、どんな子どももなにかひとつは持っている“良いところ”に期待し、褒めることが大切』だと、植木先生はおっしゃっています。
子どものなにかひとつの良いところを褒めることで、“やる気のスイッチ”が入ります。すると、『エネルギーの全体値』が上がり、他のところも底上げされてどんどん伸びていくのだそうです。
たとえば、国語・算数・理科・社会・英語の中で、国語だけは点数が良い子だとしたら、「漢字すごいよく書けているね」「国語よくできるよね」と褒めます。すると、国語はもちろん、他の教科に関しても点数が上がる傾向が、実際によく見られるそうです。
『“何事も平均値や平均値以上”を期待するのではなく、“一点集中期待”をする』…これならできるのではないでしょうか?
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植木先生の著書を読み、そしてお話をお伺いする中で、子育てや子どもの教育で大切なのは「やり方」ではなく「あり方」だということを強く感じました。
今まで「やり方」にこだわっていたというママは、これからは「どういう気持ちで子どもと関わっていくか?」という方向にシフトチェンジしていくべきかもしれません。
植木先生の著書には、子どもとの関わり方のヒントがたくさん載っています。すべて心理学的見地と植木先生のカウンセリングの実体験から来ているものなので、子育てで参考にできるところがたくさんあると思います。
ぜひご覧になってみてください。
【取材協力】植木 理恵(うえき りえ)
心理学者、臨床心理士。東京大学大学院教育学研究科教育心理学コース修了後、文部科学省特別研究員として心理学の実証的研究を行う。日本教育心理学会において最難関の「城戸奨励賞」「優秀論文賞」を史上最年少で連続受賞。現在、東京都内病院でカウンセリング、慶應義塾大学で講師をつとめる。また、「ホンマでっか⁉TV」にて心理評論家として人気を博す。
学術的研究にとどまらず、『本当にわかる心理学』(日本実業出版社)、『シロクマのことだけは考えるな!』(新潮社)など、一般向けに心理学を解説した著書多数。