DSの“脳トレ”シリーズでおなじみ、東北大学教授・医学博士の川島隆太先生。

小学生の子どもをもつ家庭で、「毎日子どもと一緒に朝食を食べない」家庭は、全体の半数近くにのぼっています。

起床時間がずれていたり、ほかの家事をしていたり…と理由は様々かもしれませんが、家族揃って“きちんと”朝食を食べることで、子どもの健康や学力向上といった面のみならず、心の成長や生活の充実度などにもよい影響がみられるといいます。

「朝食と子ども」編に続き、すべての親子を幸せに導く生活習慣について、東北大学教授・医学博士の川島隆太先生にお話を伺いました。

ママが毎日“忙しい”のは気のせい?!

子どもと一緒に食事ができないのは、やはり外で働くお母さんが増え、“忙しい”人が増えたことが要因としてあるのでは?

「『忙しい』といっても、『なにが忙しいのか?』というのを、もう一度よく振り返ってみることをオススメしたいです。私たちは、親子の関係性を高めるさまざまな取り組みを提案していますが、親御さんたちは必ず、『忙しくてなかなかできない』とおっしゃる。

ところが、実際の生活をよくよく見てみると、『忙しい』の中身は、『TVを観なきゃいけない』だとか、『スマホをいじっている』だとか、案外忙しくないんじゃないか? という人も多いんですよ(笑)。気持ちだけ忙しく感じているだけで。

昔、小学校の夏休みなどで、1日の時間をどう使っているか“円グラフ”にした経験があるかと思うのですが、あんなふうに自分が時間をどう使っているかを見直してみると、実はもう少し時間に余裕があるということに気づくと思います。

なんとなく『忙しい』と思ってバタバタしているだけで、いちばん大切な、『子どもと一緒に過ごす』という時間が少なくなっていないか、本当に忙しいのか? ということを、見つめ直してほしいです」

実は「どうでもいいこと」にダラダラと時間を使って、「一番大事なこと」に時間を使えていないかも?

「子どもとしっかり向き合う時間を、1日の中で少しでもいいから取りましょう。そうすると、すべての方向をいいスパイラルに戻っていけると思います。」

“ふれあい”経験が将来の幸せに

「『ホットケーキで「脳力」が上がる』の中にも出てきますが、大学生たちに“後ろ向き調査”という方法で“今、幸せかどうか”を調べたデータがあります。

その結果、『子どもの頃にお手伝いをしたり、親子でふれあう経験を多くした方が、幸福度が高い』ことがわかっています。

子どもの幸せを望むのであれば、親子でしっかり関わることが大事です。当たり前のことなんですけどね(笑)」

例えば、休みの日に、ホットケーキなど簡単にできるものを親子で作ってみる。たったそれだけのことで、親にも子にもプラスの変化が生まれてくる、と同書にも書かれています。