赤ちゃんは見てない、と思っていませんか?
子どもとかかわる時間を増やすため、「スマホを遠ざける時間を作る」という選択は正しい選択です。しかし、最近ではお母さんたちにコワイことが起きているといいます。
「スマホを子守り代わりに使う、というのも十分コワイのですが…。
さらにコワイのが、赤ちゃんを抱っこしていても、スマホをやっていて赤ちゃんと目を合わせない、赤ちゃんを見ないでスマホばかり見ている、という母親が多いことです。これはメディア全体で警笛を鳴らしていかないと」
赤ちゃんにとって授乳は、“栄養を摂取するための場”であるだけでなく、お母さんと密接に“やりとりする場”でもあります。赤ちゃんは言葉を話せなくても母親の反応を敏感に感じ取ることができ、やさしい抱っこや言葉がけなどのコミュニケーションによって、豊かな心をはぐくむといわれます。
その大切な時間をスマホに奪われてしまったら?
スマホがもたらす“脳”への悪影響
今や女子高生では、1日のうちスマホに費やす時間が平均で約7時間ともいわれ、それが当たり前のようになっています。
「家庭でスマホやゲームの時間をコントロールするのは、実際には難しい。スマホやゲームは中毒性があるからやめられないのです。かつ、家族も一緒にやっていて、家族全員で中毒になっていると、ブレーキをかける人がいません」
塾などで夜遅く帰り、さらに夜中までスマホやゲーム、ということになると…
「深い、よい眠りを作れなくなります。それが一番問題で、体が疲れやすくなりますし、日中せっかく覚えたことも、記憶に定着しにくくなります。ちゃんと寝ないと、結局記憶に残らないんです」
せっかくお金をかけて塾に通わせても、学習の記憶が残らないばかりか、睡眠時間が減って逆に疲れやすくなる。
さらにスマホやゲームは、何かを学ぶ、考える、がんばる、コミュニケーションをとる…といった人間らしい行動をするときに働く脳の“前頭前野”の働きを抑制するなど、脳への直接的な悪影響も懸念されます。
「大人が子どもたちの睡眠時間を短くさせ、苦しめている。われわれ大人が、早寝早起きのできない夜更かし型の社会に子どもを巻き込んでいるんです」
早寝・早起き・朝ごはんがよい。昔は当たり前のように言われていたことです。しかし、当たり前だった家族のあり方が、当たり前ではなくなったことから、さまざまな歪みが生じてしまっている。
そんな現代の親世代へのアドバイスは?
「“当たり前”のことをしましょう。1分でも2分でも多く、子どもと向かい合う時間を作れば、きっと幸せになれますよ」
参考:
・子どもの生活習慣づくりに関する家庭や企業の認識度及び課題分析調査 報告書(文部科学省)
・未成年の携帯電話・スマートフォン使用実態調査(デジタルアーツ株式会社)