撮影に使われた後、置かれたままになっていたフィギュアと小物たち
小さな人形でもレンズを通すとグッと存在感と雰囲気が出るから不思議
誰に頼まれたでもなく完全な自主制作として始めたが、完成した作品を各地の映画祭へ出品するうち話題を呼び、賞も受賞するようになり、それが新たな出会いを呼んだり仕事にも繋がっていったと飯塚さんはいう。
「映画祭がきっかけでいろんな出会いが生まれたり、ワークショップのお誘いもあって。なので今の仕事に繋がっているのは、映画祭のおかげといって間違いないです」
スタジオは2棟あり、こちらは主に撮影で使用される棟
スタジオの事務スペースには飯塚さんの創作の原点であるか、様々な小物やフィギュアが置かれる
マンガ家かイラストレーターになりたかったという飯塚さんの絵も貼られていた
今後も飯塚さんは自身の憧れ・救いとなったような作品を、自分なりの手法で作っていきたいと語る。
「やりたいもの・描きたいもの・アツいものはあるんだろうけど、そこが全然伝わってこない形に落とし込まれてしまっていたり(笑)。その熱が空回っている感じにすごく感動するんですよね(笑)。
人形劇とかコマ撮りとかアニメーションとも違うし、特撮っていうほどちゃんとした特撮でもないし、すごく心もとない技法だったりするんですけど、すごく僕の救いになって大好きなジャンルの手助けをほんの少しでもできたら、そういう作品を作り続けていきたいと思ってます」
操っている糸が見え、何だかツッコまずにいられないキャラクターと設定、でも軽い気持ちで観始めたのに何だか最後までやめられない――そんな作品と出会うことがあったら、きっと制作者の中には「飯塚貴士」の名前があるはずだ。
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