「子どもの熱」を通じて、社会の成長を
この作品はパッと見ただけで、子どもの熱・病気を通してさまざまな問題が浮かび上がってくるのが分かると思います。
まず、言いたいのは「子どもは熱を出すものだ」「それによっていつもの生活リズムは大きく変わってしまうのだ」ということをみんなにわかってほしいということ。
これって、夫にも仕事場にも、あまり理解してもらえないんですよね。
「子どもの熱のたびに有給を使っていたら、あっというまになくなった」という話はよく友人のお母さんたちからも聞きます。
子どもが熱をだしたときは、お母さんだってパニックになることも。
そんなときに周囲の人に「大丈夫だよ」と声をかけてもらえるだけで、「理解してもらえている」と感じて楽になるものなんです。
このマンガで一番の肝は、主人公である病児保育のスタッフが、子どもの熱を通して様々な家族と関わり、自分自身も成長していく、というところだと思います。
子どもの熱を通して、社会全体も成長していかなくてはいけない、そういうメッセージなのかな、と私は思っています。
本来ならば、子育ては社会全体を通してやっていかなくてはいけないこと。
「熱をだした子どもがわるい」「ちゃんと見れない親がわるい」ではなく、病児保育の仕組みのように、「子どもの熱を子どもや親のせいにする社会を変えなくてはいけない」んですよね。
このマンガのモデルともなったNPO法人フローレンスさんの病児保育のように、さまざまな仕組みが社会に広がっていってくれれば嬉しいです。
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