◆ヒーロー(優等生)

「優秀ないい子」「しっかりした子」でいることで、家庭の中で評価されようと頑張る。本当は疲れていて、休みたい。でも努力することをやめれば、自分の価値がなくなると思っている。

◆スケープゴート(問題児)

家でも学校でも、何かとトラブルを起こし、攻撃的にふるまうことで、自分の存在を主張する。実はとても気づ付いているが、すべて怒りや破壊的な行動として表してしまう。

◆ロスト・チャイルド(いないふり)

目立たない子ども。すみっこでそっと息をひそめていることで、緊張した家族関係で気づつけられることから自分を守ろうとする。「自分はどうでもよい存在」だと思いがち。

◆クラウン(道化師)

おどけた態度やかわいいしぐさで家族の緊張をやわらげようとする。真剣なことでも、おどけたり、幼稚なふりをする。つらさをはっきりと言葉にすることができない。

◆ケアテイカー(お世話やき)

トラブルの多い家庭のなかで、親の面倒を見たり、妹や弟の保護者役になるなど、自分のことは後回しでひたすら周囲の役に立とうとする。でも、自分の本当の感情や、自分のしたいことが分からない。

家庭環境に合わせて、次第に求められる役割を演じるようになっていく

アダルトチルドレンの対処法

こうした概念が広く知られるようになると、

「あなたの子どもはアダルトチルドレンになっていない!?注意が必要な親の接し方」
「あなたの周りにもいるかも!!アダルトチルドレンの行動の特徴と接し方」

というように、子育てに対する不安をあおったり、いたずらに興味をひきたてたりするような情報が出回ることが多いと感じています。

しかし、私は「アダルトチルドレン」という概念は、「本人の苦しみを和らげるため」もしくは「そうした人たちへの周囲の人の理解を促すため」に使われ、そして広まってほしいと思っています。

まず、幼いときの家庭環境の影響から、「ありのままの自分を認められない」「本当の気持ちが分からない・伝えられない」という苦しみを抱えている人たちへ。

そこから抜け出すために、まずは幼いころの記憶をしっかりと振り返り、今の自分の視点から捉えなおすという作業が必要となってきます。

これは、「原家族ワーク」と呼ばれていますが、自分が思っている以上の感情の揺れを起こす可能性があるため、周囲の人と共有したり、本などでどういった感情の変化が訪れるのかをあらかじめ知っておいたほうがよいと思います。

もし、いま自分の子育てがうまくいっていないかも、と不安を抱えられている方は、もしかすると幼いときの経験から、自分や自分の子育ての仕方に自信が持てていないのかもしれません。

自分がアダルトチルドレンの特徴に当てはまるかも。
そう思った方は、そうした本を読んだり、自助グループを訪れたり、周りの人に少し話してみたり…そういったことから始めてみてはどうでしょうか。

そうしたスタートラインにたてたこと自体もすごいことなので、そんな自分を認めてあげるということが重要なのだと思います。