「アダルトチルドレン」という言葉を聞いたことがある人はいるでしょうか。最近、少しずつ耳にするようになってきたこの言葉を少し詳しく見ていきたいと思います。

アダルトチルドレンとは?

最近、よくテレビなどで聞くようになった「アダルトチルドレン」という言葉。

この言葉は、もともとは、「アルコール依存症の親の元で育った人」という意味で使われていたものでした。

アルコール依存者の家で育つと、無意識のうちに、親を助けよう、迷惑をかけないようにしよう、家庭内の問題を解決しよう…と「子どもらしさ」を押し殺し、その家庭環境に応じた性格や態度を身につけていきます。以前までは、こうして人格を形成した人のことが「アダルトチルドレン」と呼ばれていました。

しかし近年では、アルコール依存者の家で育った子どもだけでなく、広く「幼いときからの親子関係(家庭環境)に影響を受けて、自分の気持ちを押し殺し、その結果として大人に至るまで生きづらさを抱える人」という意味で使われるようになってきています。

例えば、親に自分の意見をあまり聞いてもらえなかった、親から十分に愛されたという感覚を得られなかった、等の経験がもとで、

ありのままの自分を認められない…

自分の気持ちをうまく表現できない…

自分が本当は何をしたいのかがよく分からない…

そうした気持ちを抱え、大人になっても苦しむ人たちを広く示す概念としてアダルトチルドレンという言葉が知られるようになってきているのです。

参考:アダルト・チルドレン :性格形成と家族(日本性格心理学会大会発表論文)

アダルトチルドレンの特徴、5つの役割

こうしたアダルトチルドレンは、不穏な家庭の中で育つうちに、知らず知らずのうちに家族の中で期待される役割を自ら果たしていくようになると考えられています。

「アダルト・チャイルドが自分と向き合う本(発行:アスク・ヒューマン・ケア)では、そうした役割として以下の5つをあげています。