“子どもは褒めて育てよ“とよく耳にします。出来るだけ叱らないで子育てしたいですが、そうもいきません。
でも、その中で体罰、暴言、人格否定など、やってはならない叱り方ってあると思うのです。
『一人でできる子になるテキトー母さん流子育てのコツ』の著者の立石美津子が、“お薦めしない叱り方”について8つお話しします。
抵抗できない子ども
幼い子は親の庇護なしには生きていけません。ですから、抵抗できない叱り方をされたら従わざるを得なくなります。
でも、「子どもがこれで言うことを聞いた」と思っているのは残念ながら親の錯覚なのです。その叱り方によっては子どもは心の傷を負ったり、そのつけが思春期以降、爆発することもあります。
NGな叱り方
1.体罰
子どもが言うことを聞かないとき、つい手が出て、叩きたくなってしまいますよね。ママだって人間ですから、イライラがピークに達して感情がぶちぎれてしまうことは子どもを思う故の行動、誰しもあります。
でも、親の暴力により「子どもが言うことを聞いた」と思っているのならば、それは大きな誤りです。子どもは痛さと恐怖に耐えかねて従っているだけなのです。
こんな親の態度をから、子どもは「相手を自分の意のままにコントロールするのには暴力、暴言に頼ればいいんだ」と学習してしまいます。そして。
親の見ていないところで小動物や小さい子などに対して、親の真似をして同じやり方でやり込めていることもあります。
それから、親から叩かれて育った人が親になったとき、「今の私があるのは幼い頃、厳しく叩いて育ててくれた親のお陰だ。親に感謝している。だから我が子にも同じようにする」と虐待を正当化する人がいますが…。
それは“自分の育ち”を否定したくない気持ちの裏っ返し。きっと過去にタイムスリップしたら“怯え苦しんでいた自分”がそこにはいる筈です。(過去記事「しつけのために叩くはアリ!?どうしても言うことを聞かない子への「しつけの秘策」)
2.人格をそのものを否定する
子どもの存在そのものを否定する叱り方、例えばお友達を叩いた時「どうしてお友達を叩くの!ほんと!あなたは意地悪な子ね!」はNGです。人格そのものを否定する言い方だからです。
“罪を憎んで人を憎まず“の諺のようにやった行為に対してだけ注意しましょう。
「お友達を叩くことは悪いことよ」と言えばいいんです。
事柄だけを否定する良い言いかえ例
- ×お片付けしない子はダメな子なのよ。
⇒〇使った玩具を元の位置に戻さないのは良くないことだね。 - ×弟を苛めるなんて、ひどいお兄さんね。
⇒〇弟を苛めることは良くないことだよ
学校の先生でも困った行為をする生徒に対して“問題児”と呼ぶ先生がいますが、あまりよくない言い方ですね。子どもそのものを否定しないで“問題行動を起こす子ども”とだけ言えばいいのです。
行動が問題なのであって、その対処の仕方で解決することも多いからです。
それから「お片付けして良い子ね」、「残さず食べるいい子ね」の一定の条件を付ける褒め方ばかりするのは?
これもよくありません。別の見方をしてみると「片付けないのは悪い子」、「好き嫌いするのは悪い子」となってしまうからです。
「お片付けすると綺麗になって気分がいいね」とその行為によりみんなが快適でいられることを認めたり、「残さず食べて頑張ったね」と努力を評価する言い方にしましょう。