筆者は長年、多くの子ども達に接していますが、子どもってみんな“言い訳名人”のような気がします。
自分のことは棚に上げて「○○ちゃんがおもちゃ散らかしてる~」、「〇〇君が悪いことしてるよ」などと友達の悪いところを見つけては、いちいち報告にくる“告げ口名人”です。
でも、実はこれが子ども本来の姿で、心が捻くれているわけではありません。それから、“人は認めてもらいたがる生物”だからです。
どちらのケースも深層心理に「自分はいい子でしょ、だから認めて~だから褒めて~構ってちょうだい」と、大人に認めてもらいたい気持ちが潜んでいるだけなのです。
『1人でできる子が育つ「テキトー母さん」のすすめ』の著者の立石美津子がお話します。
牛乳を零したときの賢い対応
テーブルの上に牛乳が零れています。明らかに子どもが誤って零したもの。
そんなとき、つい「私の余計な仕事をまた増やして!」と頭に血が上ってしまい「どうして牛乳零すの!」なんて叱ってしまいます。
けれども、「どうして、なんで」と親から詰め寄られても子どもは“牛乳を零した理由”を説明できませんから、返答に困るわけです。更に「最初から零れていた」「僕がやったんじゃあない」なんて見え透いた嘘までついて言い訳します。
賢い対応策
「あら、牛乳を零してしまったのね、雑巾で綺麗に拭いてね」とだけ言いましょう。
これは相手を責めることなく、やった行為に対して後始末をさせていることになります。これで次回からは零さないように気を付けるようになります。
言い訳名人の心理
子どもが嘘をついたり、言い訳するのは3つの理由があります。
- 親に「嫌われたくない」「叱られたくない」という防衛本能が働く
- 自分の非を認めたくない
- ダメな子というレッテルを貼られたくない
言い訳したり、嘘をつくのはそれだけ頭が回っている証拠、賢い子なのです。そして、同時に自分の失敗や過ちを受け止められない子なのかもしれません。
これから長い人生の中では失敗もつまずきもあります。自己防衛の心理が強く働き過ぎて、自分の失敗を受け止めることができないとちょっと困ってしまいます。
解決策
「どうして牛乳零すの!悪い子ね!」とテーブルを汚しただけで、人格をけちょんけちょんに貶すような言葉をかけ続けていると、言い訳したり嘘をついたりと防衛本能がどんどん加速してしまいます。
ネチネチとそれを咎めるような叱り方をするのは止めましょう。前記のように起こしてしまったことについて後始末をさせましょう。
チクり名人の心理
甘えたい
先生やママに「○○くんが僕のこと叩いた~」と、いちいち言いつけにくる子って結構いますよね。それは構ってほしい気持ち、そして甘えたい気持ちの表れなのです。可愛い“構ってちゃん”なのです。
ですから、子どもの言葉通り受け止めて「○○くんがウチの子にひどいことをしたんだ」と思ってはいけません。現場を見ていない限り真相はわかりません。わが子が先に手を出したのかもしれません。
また、「すぐに甘えてきて、なんて弱虫な子ね」なんて思ってもいけません。ただただ悲しくて、慰めてほしくて、ママのところにきたのです。
解決策
こんなときは、「そうなんだ」と軽く交わしたり、「よしよし、叩かれたのね。悲しいね」と気持ちを受け止めて抱きしめてあげましょう。それだけで満足します。