子どもは“質問魔”。街中の看板を見るたびに「これなんて読むの?」と聞いてきます。
そんなとき「ちょっと読み方は怪しいけれど、まあ、いいかっ」と親が適当に答えてしまうと、子どもが間違って覚えてしまいますよ。
そんないくつかのエピソードを『「テキトー母さん」流子育てのコツ』の著者の立石美津子がご紹介します。
「ひつじかん」というお菓子
デパ地下に行ったら和菓子屋の前に“羊かん”と書いてありました。子どもが「ねえ、ママ、これなんて読むの?」と聞きました。
すると、衝撃の答え!「“ひつじかん”よ~」
“羊羹”とか“ようかん”と表記してあったら間違えなかったかもしれませんが、“羊かん”と漢字とひらがなを混ぜて書いてあったので「羊毛(ヨウモウ)の“よう”」と思い浮かばず、思わず「ひつじかん!」」と答えてしまったのですね。
そのやり取りを見た店員さんは笑いをこらえながら「はい、かしこまりました。少々お待ちください」と言いました。
「はい、“ようかん”おひとつですね」とさりげなく訂正しなかったのは、店員としてお客様に恥をかかせない最高の配慮でした。
しかし!ここで訂正されなければ、ママはどこかでまた同じ間違いを繰り返してしまうかもしれません。そして、子どもが間違えて覚えてしまいます。
お店側は“羊羹”と書いてしまったら「お客さんの中には読めない人もいるだろう」と親切に“羊かん”としていたのですが、却ってあだになってしまった笑えない話でした。
「こおりこまめ」って?
ある人が銀座の甘味処に入りました。メニューの“氷小豆”を指さして「こおりこまめを下さい」と言ってしまいました。
店員さんは笑いはしませんでしたが「はい、畏まりました。“こおりあずき”ですよね」とさりげなく訂正しました。
ここで気づいた人でしたが、きっと厨房で笑われていたに違いありません。
恥ずかしい間違った読み方
案外、思い込みで間違えて覚えている漢字ってありますよね。
旧中山道
昔、某テレビ局のアナウンサーがニュースでこんな読み間違いをしました。江戸時代の五街道の一つ「旧中山道」を…なんと「いちにちじゅうやまみち」と読んでしまったのです。
正しくは「きゅうなかせんどう」です。これはアナウンサーとしてかなり恥ずかしいですね。
北北西
テレビの生放送中のニュースで、アナウンサー同士のこんなやりとりがありました。
「今年の節分は恵方巻をどの方角を向いて食べるのか、分かりますか?」と振ったところ、相手方は「“きたきたにし”ですね」とトンデモない返答をしてしまったのです。
「北北西(ほくほくせい)」のことをこう言ってしまったのです。一瞬、騒然となりました。番組の最後に「みなさん『きたきたにし」ではなく『北北西』ですから」と訂正を入れて終わりました。
干物
先日のテレビで珍しい珍味として“伊勢海老の干物”が紹介されていました。
アナウンサーが「伊勢海老のほしもの」と読んでしまい、訂正が入りました。
“鯵の干物”だったら間違えなかったのかもしれません。また“干し物”という言葉もあるので、つい間違って読んでしまったのですね!