新しい環境になることが多い4月。新しい街に引っ越すという家庭もあるのでは?

そこで春の大忙しの日々の中でも、ぜひチェックしておきたいのが、子育ての助成金。地域ごとに異なることから、自治体の公式ページなどをチェックして早めに把握しておきたいですよね。

そこで今回は、東京都23区を中心とした、全国の「子どもの医療費助成」の実施状況について、ファイナンシャル・プランナーの山本節子さんによる監修のもと、ご紹介します。

各地域で対象年齢や医療費の助成が全額なのか一部なのかなどは異なってきます。各地域の実施状況をチェックしておきましょう。

自治体によって異なる子どもの医療費助成

子どもの医療費助成制度とは、規定の年齢の子どもが保険診療でかかった医療費の自己負担額を自治体が助成する制度です。多くの場合、自己負担額が全額助成されるため、子どもは医療証があれば無料で診療が受けられます。

例として、東京都の子どもの医療費助成制度をみていきましょう。

東京都の子どもの医療費助成制度

東京都の子ども医療費助成は2種類に分かれています。

1.「乳幼児医療(マル乳)

対象は小学校に上がる前の乳幼児です。(6歳に達する日以後の最初の3月31日までの乳幼児)国民健康保険や健康保険など各種医療保険の対象となる医療費、薬剤費等の自己負担分を助成します。

2.「義務教育就学児医療(マル子)

対象は、小学校1年生~中学3年生までの義務教育就学期にある子どもです。(6歳に達する日の翌日以後の最初の4月1日から15歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者)

入院時は国民健康保険や健康保険の自己負担額を助成します。

通院時は国民健康保険や健康保険の自己負担額から一部負担金(通院1回につき200円(上限額))を控除した額を助成します。(調剤及び訪問看護は一部負担なし)

ただし、区市町村によって助成範囲が異なります。例えば、区市町村によっては入院時の食事代なども助成をしている場合があります。

東京都の、この制度をベースに、高校生まで医療費を助成している区があります。それが、千代田区と北区です。

千代田区

「高校生等医療費助成制度」があります。

高校生相当年齢(15歳に達した日以後の最初の3月31日を経過し、18歳に達した日以後の最初の3月31日までにある子ども)で、千代田区に住民登録があり、国内の健康保険に加入している人が対象。高校に通っていなくても対象になります。

北区

「高校生等の入院医療費助成」があります。

高校生等(18歳に達した日以降の最初の3月31日まで)であれば入院医療費助成を受けられます。つまり各健康保険適用の入院診療費の自己負担分が助成されます。

助成の対象となるものとならないものとは?

子どもの医療費助成制度を利用する場合、知っておきたいのが、助成の対象となるかどうかです。

東京都の例で整理しておきましょう。

対象となるものは医療保険が適用されるもの

医療費助成の対象となるのは、健康保険の対象となる医療費、薬剤費等です。

対象とならないものは健康保険が適用されないもの等

健康保険適用外の健康診断、予防接種、薬の容器代、差額ベッド代、紹介状を持たずに受診した200床以上の病院の初診料等は、対象となりません。

また他にも適用されない対象があるため、確認が必要です。

交通事故などの第三者行為を原因とするもの

子どもの医療費助成では、交通事故などの加害者が加入している損害保険から支払われる賠償金に該当する金額は、対象となりません。