語彙力をテストする確認行為はやめよう

絵本の読み聞かせをしたあと、内容を理解しているかどうか知りたくてつい、「どう面白かった?」と質問したくなります。

そんなとき「つまらなかった」と答えたり、「別に」とか「普通」とか、または無反応だったり……また「どんな動物が出てきた」と聞いても黙っていたら不安になりますよね。

しかし、子どもは理解していないのではありません。大人が満足するような答えができないだけなのです。

また、親がわかっているかどうか確認したくてテストするようなことを続けると、本が嫌いになってしまいます。

安心材料を得たくて、再生ボタンを押したくなりますが、やめておいた方が無難でしょう。

©あべゆみこ

語彙力アップのための絵日記は幼児には早い!?

作文は自分の頭で考えていることを言葉に出すだけでなく、更に文章として表現することです。

絵日記であれば語彙力アップのためにやらせてみても……と考える親は多いでしょう。

しかし、幼児は頭にたくさんの言葉が詰まっていても、実際に口から出てくるときには「えっとね。〇〇でね。えっとね△△だから、えっとそれからえっと……」の状態です。

言いたいことがたくさんあっても流暢には話せない光景をよく目にします。

絵日記でわずかでも文章を書かせるのは、まだ言葉でも言えない子に文章表現をさせること。かなりハードルの高いことです。文章にして表現させるのは、小学校に入ってからで十分です。

子どもの吸収力、心配するに及ばず!

幼児期は、子ども自身がどんどん自分の中に情報を溜めていく大事な時期です。

親が思っている以上に、子どもの頭の中には日々多くの情報が集まってきているのです。

どうしても親の基準で、子どもに対して不安を抱えてしまうことが多いですが、内言語を豊かにすることを意識していれば、そのうち親も驚くような言葉が子どもの口から出てくることも。

まず、幼児期は“録音”するだけに留めて、親が再生ボタンをバチバチ押してしまわないようにしましょう。