水泳、英語、ピアノ、塾。新年度、子どもに新たな習い事をチャレンジさせる家庭も多いですよね。
でも、ちょっと気を付けなくてはならないことがあります。“保護者としての節度ある態度・マナー”です。それはどんな姿勢なのでしょうか。
『はずれ先生に当たった時に読む本』の著者であり、20年間幼児教室を経営していた立石美津子がお話しします。
1.習い事の場を「子どもの預かり場所」と思っているケース
例えば、幼稚園や保育園の空き教室を活用して、課外教室を設置している園が増えています。
保育園の場合、保育中に習い事ができます。
幼稚園の場合は通常の降園時刻が14時頃と早いのにも関わらず、そのあと園内に設置されている習い事に通わせると、朝8時くらいから16時くらいまで園内にいてくれ安心、安全。
親が遅く迎えに行けば済むので、とても便利です。
今は延長保育もある幼稚園も多くなってきていますが、ただ延長保育にいるよりも課外教室でお勉強をしてきてくれれば、子どもを預けつつ頭も良くなってきますし、園長保育料はかからないですし一石二鳥!
ある意味、魅力的ですよね。
ところが、預けっぱなしの保護者がいます。習い事からのお便りも半年間ずっとカバンに入れっぱなし、子どもがやってきたプリントを親が見た形跡もなく、カバンが肥大化しています。
筆者が指導していた頃、「机の上に道具を出しましょう」と指示をするたびに必要のない過去の紙類がどっさりと出てきて、整理整頓できず、子ども自身が苦労している光景をよく目にしました。
親がカバンの中身も見ず、「今日はどんなことを習ってきたの」という会話もなければ、子どもは寂しく感じています。
家族が応援してくれるからこそ、子どもも頑張れます。便利な時間設定がされているからといって、無関心だったり、“預けっぱなし”にならないように気を付けましょう。
2.「先生にしつけてもらおう」と思っている
習い事に通わせる動機が「文字を書けるように」とか「英語を身に付けさせるために」ではなく…「子どものしつけを先生にしてもらおう」となっているケース。
例えば、「うちの子はじっとしていられないから、椅子に座る習慣をつけるために入れよう」と入会させている例です。
けれども、しつけの担い手は親であり家庭が基本です。習い事で他人である先生からしつけられると効果は多少なりともありますが、“全部先生に丸投げ”な姿勢はよくありませんね。
また、習い事は幼稚園、保育園と違って保護者が「お金と時間を投資して英語を学ばせよう」「運動能力を高めよう」などと思ってわが子を通わせています。
授業を妨害してしまう子がいて先生がかかりっきりになってしまうと、他の保護者からクレームも出ます。