一方、巻島も、(自身の走りを)変な走りだとバカにされた総北高校に入学した1年生の頃から、寒咲主将に背中を押され覚醒するまでの道のりが描かれ、髪の短い巻ちゃん、そして、自信を持てない、少しおどおどした巻ちゃんが見られるのも今回のストーリーならではではないでしょうか。
そして、とあるレース会場で出会う2人。最初はいがみ合っていても、次第にライバルとして必要な存在だとお互いを認め合う、2人のメモリアルの作品になっています。
そこからさらに、後輩へ想いを繋ぐ、というテーマが入っているのが今回のポイント。
また、原作を拡大解釈した、会場の笑いを誘うパートが“いくつも”差し込まれているのもペダステならでは。
……ちょっと待って下さい! おかしくないですか? 2人それぞれのロードバイクの思い出を描くだけでも膨大なのに、そこからまだ後輩へ想いを託すところまで描こうというのです、2時間半で。すべてで2時間半ですよ?
すでに、何年分の物語を観たんだろうというくらいの濃密な時間を過ごし、正直、「まだここからあるの?時間あるの?」と思ったほど。
自分の時間感覚と、ステージで繰り広げられているストーリーの内容量が明らかに合っていないような気がするのです。
スピード感のあるレースの場面はきっちり観たし、その合間にギャグパートもあったのに、まだ続きがあるの!?
坂道、真波の物語を交えて、巻島、東堂の未来へ繋ぐ2人の物語を観終えると、きちんと2時間半!
ちょっとした時間旅行をした気分になりましたが、今回のステージは、それだけ濃密、まさに納得の物語となっているのではないでしょうか。