――ライブアイドルシーンもラウドロックシーンも盛り上がっていると言われるジャンルですね。夏にRYO:SUKEさんはTwitter上で「ラウド×ダンスミュージックを一過性のものにしたくない」という話をされていました。

RYO:SUKE:それが今日の話の主軸だと思って。なんでそんな発言をしたのか、どうして「ラウド・ロック×EDM」的なものをトレンドで終わらせたくないのかというと、以前たまたまラウド系の現場で「ピコリーモってもう終わりだよね」「そろそろ次のムーブメントを見つけないと」という趣旨のことを言ってる人達の場所に居合わせて。

それを業界の中の当事者が言ってたので、じゃあその人がそれをやっている理由って「流行ってるから」っていうことじゃないですか。

それはビジネスとしては正しいかもしれないけど、アーティストとしては不健康じゃないですか。そういう考えのもとでやっていてるから、文化って衰退するのかなって思ったんです。

じゃあ僕はどうなんだろうと思った時、僕もWING WORKSとしてラウドミュージック、エレクトロミュージックをやろうと決めて、なぜそのスタイルを自分で選択したのかと、自分の根っこの部分を掘り返したときに、その理由は「流行っているから」ではなかったわけです。

――前のバンド(少女-ロリヰタ-23区)の後期のデジロック路線まで含めたら、RYO:SUKEさんがその方向性に行ったのはかなり早い時期ですよね。

RYO:SUKE:あの時期はより多くの人に僕達の音楽を届けないといけない、そのためにはそれまでのバンドを進化させなければいけないなという話になり、全く新しいものを生み出すということにトライしたんです。

――ヴィジュアル系シーンでいうとMUCCがエレクトロを取り入れ始めた時期でしたね。

RYO:SUKE:そうなんです。本当に当時はギターを重ねるのではなく、シンセだとどうなるんだろうってレベルの話からスタートしました。とはいえ、僕的にはロックとエレクトロミュージックがハイブリッドされてるのは昔からある音楽ジャンルのひとつだと解釈しているんですけど。
だから「流行りものを追う」という感覚ではなかったんです。

当時既存のファンからの戸惑いもありました。その一方で、当時の僕らの挑戦に対して評価してくれる新しいファンもいた。

その方向で進んでいく中で、周囲でも同期を入れたライブをやるバンドが増えて、時を同じくしてメタル、ラウドと呼ばれてるシーンでも、バンドにシンセサウンドを取り入れたメタルコアだったりピコリーモと呼ばれるような音楽が出てきた印象があります。

中にはそういう音楽が今流行ってるからという意図の元でやっているバンドもいるなと思うのですが、自分はもっと別の場所を見て今のサウンドを追及しているつもりなので一緒にされたくないというか。そういう思いであのツイートをしたっていう。