ロールモデルの不在
「我が子至上主義のママが増えて迷惑してるわ」と論うだけで終わらず、調査元はこう分析しています。
共働きがいわば”当たり前”の社会となり、両親とも忙しい中、それでも我が子には少しでも良い思いをさせてあげたいという思いもあるのかもしれません。
理不尽な要求、クレームは、その保護者のみに原因があるだけではなく、社会全体として抱える問題の影の部分であるとも言えるのではないでしょうか。— ありえない?!保護者からの理不尽な要求&クレーム事例(ウェルクス)
では、今の社会にはどのような影が兆しているのでしょうか?
ここからは、筆者一個人の考えになりますが……。
一つとして、ロールモデルの不在が挙げられるのではないでしょうか? ワーママたちにとって良きお手本になってくれそうな先輩ママは、残念ながらあまりいないのでは。
共働きが主流になり、働くママは珍しくない、とは言うものの。正直筆者の身近には、仕事と子育てを自然体で両立している姿が素敵なママはいないです。
パパに比べるとママのほうが明らかに負担が重そうで、ふるまいに余裕がない。「こんな風にできたらいいな」と思うようなかたには、なっかなかお目にかかりません。
ちなみに、育児雑誌に登場するおしゃれママは、生活していく上で生まれる汚れや疲れを見せないよう、最大限配慮しています。だから参考になる部分はほんのちょっぴりで、生身の人間には不可能なことが満載です。
「こうしたらいいんだな」という正解を目にする機会がなく、仕事と育児を両立していくにはどのようにすればいいのか実は見えていないけれど、「子どもを何とかして守りたい」という意識だけは肥大化している……。
その、ぱんぱんにふくらんだ不安やストレスの風船が破裂した時から、ママはモンスター化してしまうのかもしれません。
なんか、自然に愛せてない……
情報交換できそうなママ友はいるけど、先立ちは不在。そのせいか、我が子を自然に愛することができないママは増えているように見えます。
可愛がり方の匙加減を知らないせいなのでしょう。なんとなく不自然な愛し方をするママは、「子どものために真面目にやってるのよ」というわりには、子どものためにならないような、自分の価値観を押しつけてしまうところがあります。
主役であってほしかったり、お人形のようでいてほしかったり。それは、子どもが望んでいるというよりも、親の願望ですよね。
どうやら、愛し方を調節する必要がありそうです。
「親がついていなくても、いつかはこの子が一人で歩いていけるように」という願いをこめて見守るのが、微笑ましい親バカさんです。
この願いを基準にすれば、困った我が子至上主義で周囲に迷惑をかけることは、ぐんと減るのではないでしょうか。
たまには弱音を吐いてもいいよ
ところで、筆者の知っている保育士さんが「これはいいんだよ」と言っていたことがあります。それは、ママがちょっぴり弱音を吐くこと!
「働きながらの育児は大変」「初めての子どもだから、分からないことがいっぱい」などと声に出してもおかしくはありません。でも、ママたちの表情などから大変そうな気配や不安な感じは伝わってくるものの、その想いを言葉にする人は不思議なほどいないのだとか。一人でテンパってるかたが多いのかも。
子育てがうまく行かず、イライラした時や泣きたくなってきた時、保育士さんに不当な要求を突きつけるのはNG。ですが、ほんの少しだけ愚痴を聞いてもらうというのはアリ、なのです。
気持ちが少しでも軽くなるよう、いくらかでもお役に立つ情報であればと願っています。