江上さんは「働く女性にとって、この村での生活はとても残酷なことがわかります」と指摘。
というのも、女性の正社員の一番多い年収帯は200万円~299万円。そして、非正規社員の場合は100万円未満となってしまいます。男性の半分ほどの数字となっているのです。
女性の収入の低さはそのままダイレクトに「母子家庭の貧しさ」につながっています。日本の母子家庭での子どもの貧困率の高さが話題となっていますが、この村で例えると、18歳以下の子どもの約16%が貧困層に分類されています。
他にも数字を見ていきましょう。収入の低さからこの村の半分の50人が「生活がきつい」と嘆いており、まったく貯金のできない家は村の3分の1に。この村では自殺の数が多く、世界でも5番目の多さに。
31秒に1人が生まれ、25秒に1人が死亡。48秒に1組が結婚し、2分16秒に1組が離婚しています。
介護が必要な65歳以上は増える一方で、その介護をするのが夫や妻、子どもですが、そのうち3分の2が女性となっています。
この村の幸福度は158ある村のうち48番目なのです。
驚きの結果なのですが、これが現実なのです。江上さんも、「すでにあなたの子どもたちは、生まれたときから借金まみれで、学校に行くお金もなくて、仕事に就いても給料が安くて、結婚もできない、将来の年金も期待できず、それで老親の介護に追われる……。これらはすでに決定している事実です」と語ります。
目を背けたくなるほど苦しい現実です。しかし、だからといってこのテーマを直視しないことの方が問題です。
もし、お子さんや子どもたちがこのようなテーマに関心を持ったら、ぜひ、江上さんのようなわかりやすい例えで、問題点を教えてあげてはいかがでしょうか。
そして、はやくこれらの問題が解決するよう、親も子どもも一緒になって考えたいものです。