「おりこうさん脳」は子どもの学習能力を育てる

「おりこうさん脳」とは、大脳皮質のこと。言葉を獲得する、知識をためこむ、手指の微細運動を発達させるなど、「からだの脳」に少し遅れて1~18歳くらいまでかけて発達します。

学齢期になり、子どもが机に向かう習慣がなかなかつかないことに、イライラしてしまうとき、子どもに十分な睡眠が足りているかどうかをまず疑ってみてください。

日中に学んだことは、夜しっかり眠ることで記憶として定着します。記憶が定着しなければ、続けて新しい知識や情報、経験を積んでも意味がありません。

本書には、年齢別に必要な睡眠時間が表で載っていますが、もしかたら子どもには、一般に想像されるよりも長い睡眠時間が必要なのかもしれません。

最後に発達する「こころの脳」

「からだの脳」と「おりこうさん脳」がしっかりと育った後、10歳以降に初めて育つのが、「こころの脳」です。

すぐにキレたり、心が折れたりするのは「こころの脳」の発達に問題があるという以前に、その前段階の2つの脳の発達も未熟である可能性があります。

18歳までの子どもには、毎朝朝日を浴び、バランスのとれた食事をとり、適度な運動と十分な睡眠をとらせるように心がけたいものですが、10歳以降はだんだん親の言うことを聞きにくくなる年頃です。

やはり、小さいうちから、太陽と共にある暮らしをさせるのが望ましいのですね。

年齢別子どもの”困った”悩みの対処法

それでは、年齢別にみる、”子どもの困った”悩みと、その対処法をご紹介していきましょう。

1歳半「帰宅の遅いパパと遊んでなかなか寝ないんです」

断乳がまだの1歳半の男の子。夜中に2,3回起きてしまうのですが、授乳のタイミングでパパが帰ってきてしまうと、パパと楽しく遊んでしまって、なかなか寝つきません。

結局寝るのが遅くなり、朝起きるのも遅くなり、という悪循環に。朝ご飯はおっぱいになってしまい、ちゃんとした食事をとるのは昼からです。

この子の場合、もう1歳半になっているのですから、断乳してもよさそうですね。そうすることで、夜は寝て、朝はおなかが空いて起きるようになることが期待できます。

パパには、深夜の帰宅はなるべく静かに、と協力をお願いしましょう。子どもが早く起きられるようになれば、パパと朝の時間を共有できるようになるかもしれません。

また、早く子どもを寝かせたいときに知っておきたいことがあります。

子どもを寝かせるには温めた方がいいと思って、寝る直前のお風呂や、体を布団ですっぽり包んでいませんか? それは逆効果で、子どもは寝ません。なぜなら、眠る前には体温が下がる必要があるからです。