シールはOK?
シールも実物と言えば実物には変わりありませんが、この程度のものですと要求がエスカレートしていくことはありません。
しかし…シールを5枚集めたら“鉛筆”、10枚集めたら“ノート”、20枚集めたら…と商品に交換してしまうとどうでしょう。
シールの数が増すごとに与えられる物が豪華になり“シール30枚でゲームソフト”とエスカレート、その結果“何かを貰えないならばやらない”という状態になってしまいますので注意が必要です。
拍手、褒め言葉はOK?
字が上手に書けたら花丸をする、頑張ったら拍手してやる、「頑張ったね」と称賛の言葉を与える程度のものだった場合。
最初は褒められたくて子どもは頑張ります。でも、これをきっかけにそのことをすることが喜びとなり、だんだんと褒められなくても取り組むようになります。
ご褒美がなくてもできるようになる方法
行動を定着させるためのやり方を専門用語で“オペラント条件付け”、その褒美や目的にあたるものを“強化子(きょうかし)”と言います。
これは学習を定着させるためにはとても有効な手段です。けれども、“強化子”が大きすぎると学習そのものよりも、先ほどの例のように褒美目当てにしか勉強しなくなってしまうのです。
シールや拍手、花丸を付ける程度の強化子ですと、子どもは最初は
・シールが欲しくてやる
・丸をしてもらいたくて頑張る
・褒めてもらいたくて片づける
などの動機でスタートします。でも、だんだんとこれをきっかけに…
・勉強したらたくさんの知識が得られて楽しい
・字を練習したら綺麗に書けて嬉しい
・部屋を片付けたら気分爽快になった
こんな体験が出来ます。
すると、褒美がなくても勉強したり、片づけるようになるのです。
そうなると“強化子”が有効に働いたということになります。そのためにもお菓子や玩具だとこうはなりませんので注意した方がよいですよ。