放課後の学校に地域の人々を市民先生として招き、「アフタースクール」を開校する放課後NPOアフタースクールが法人化10周年を記念するフォーラムを開催しました。
学校の授業だけでは得られない体験や貴重な時間が得られるはずの放課後ですが、事故や事件が相次ぎ、児童たちの平穏な日々に怪しい雲行きが見られるこの頃。
豊かな放課後って何だろう?といま一度考えるきっかけとなったフォーラムのレポートと、放課後NPOアフタースクールで代表理事を務める平岩国泰さんにお話を伺いました。
ユニークなコンテンツで振り返る「アフタースクール」の歩み
放課後NPOアフタースクールは首都圏を中心に、放課後の小学校施設を利用して、地域の人々を「市民先生」として招き、子どもたちに様々なプログラムを提供し、地域での子育てを目指す「アフタースクール」を毎日運営しています。
小学校低学年のうちは授業の終了時間が早いため、共働き家庭にとって学童保育は放課後の居場所として命綱とも言える存在。
しかしその学童保育も都心では定員オーバーで4年生以上は通えないケースもあり、過ごし方や一緒に遊べるお友だちが固定されてしまうなど課題もあるようです。
また、近年は安全性などの観点から、ボールを投げるのはNG、大きな声で走り回るのもNGなど、自由に遊べる公園の数が減少しており、子どもたちの遊びの選択肢に制約が設けられつつあります。
放課後NPOアフタースクールは放課後の学校で1年生から6年生まで誰でも参加可能なアフタースクールを展開し、地域での子育てや見守りを提供してきました。
代表理事の平岩国泰さんが自らの子育てを考え、週1回地域の公民館から始めた活動は、今は首都圏を中心に20の小学校で展開され、のべ参加人数は年間約20万人、協働する企業は200社以上、関わってきた市民先生も5000人以上にのぼります。
法人化10周年を記念した今回のフォーラムには、スポーツキャスター、日本プロ野球名球会副理事長の古田敦也さんを始めとするアフタースクールの活動を応援する著名人が数々ゲストとして登壇。
「いつかこのような風景が見られたらいいなとは思ってきましたが、なかなか想像することはできませんでした」と平岩さんの挨拶で会の幕が上がります。
これまでの活動をダンボール立体フリップで振り返ったり、アフタースクールに通う子どもたちがチアリーディングの演技を披露したり、会場は終始温かく和やかな雰囲気。
アフタースクールでの好きな過ごし方、これからチャレンジしたいことなどを発表する場面もありました。
平岩さんにとって、アフタースクールを運営してきた中での最大の成果は「子どもたちの心の成長」だったとか。
アフタースクールに通う子どもたちに取ったアンケートで「自分の得意なことがある」「自分に自信がある」「新しいことに挑戦したい」という項目に大多数がYESと答えているそうで、子どもたちにとってアフタースクールはかけがえのない存在のようです。
10周年を迎え、これからのアフタースクールが掲げるキャッチコピーは「放課後はゴールデンタイム」。
フォーラムの後半は、アフタースクールの理事をつとめる皆さんたちの放課後の未来についてディスカッションが繰り広げられました。