夏のベビーカー利用のママたちは、乗っている子どもが日差しで暑すぎないかなど、注意をしていることでしょう。
でも、もしかしたら、ベビーカーは日よけカバーや帽子をかぶせれば熱中症は防げると思っていたり、ベビーカーを持ち込むことの配慮から、飲食店などで休むのを我慢したりしているママもいるかもしれません。
実は、それが熱中症予防の観点からすれば不十分なこともあるのです。
小児科医による正しい知識を知り、ベビーカーの熱中症対策を万全に行いましょう!
ベビーカーの高さは35度以上になることも!
実は、ベビーカーに乗っている子どもは大人よりも過酷な環境にさらされているようなのです。
ご自身も3人の子を持つサニーガーデンこどもクリニック院長で小児科医の首里京子先生に、ベビーカーの熱中症対策を教えていただきました。
首里京子先生(以下、首里)「ベビーカーは、地面の熱や照り返しの影響を受けやすくなります。環境省熱中症予防サイトによると、大人の背の高さ(150cm)で32度とすると、地面に近 い子どもの高さ(50cm)では35度以上になるとされています。
また、直射日光を避けようと日よけカバーで覆ってしまうと、風通しが悪くなり、ベビーカー内に熱や湿気がこもり、熱中症のリスクが高まります。よく着替えやおもちゃなどの荷物を、ベビーカーの下につめこんでしまいますが、余計に風通しが悪くなってしまいます」
実際に今年5月、都内で気温39.2度の時間帯にベビーカーの高さ50cmの温度を測定してみたところ、大人の高さ150cmくらいと比べて4.2度も高い43.4度だったという事実もあるそうです。
まさか子どもの座っている位置が、40度を超えているとは思いませんよね!
乳幼児の水分補給は重要!水分不足を見分ける基準は?
知らずに熱中症リスクが高まっているお出かけ中のベビーカー。考えると恐ろしいものです。
首里先生は、乳幼児は体温調節が未発達で大人よりも熱中症にかかりやすいといいます。
首里「乳幼児は、水分調整機能が未熟なため、水分が早く身体の外に出ていくため、子どもには特に意識して水分補給をさせてあげる必要があります。
小さな子どもの場合は、自分ではのどの渇きを訴えることがむずかしいため、次のような、水分が足りていない可能性があるサイン、脱水症状がすすんでいる可能性が高いサインは必ずチェックして、お子さんの表情を見逃さないようにしてください。
そして少しでもサインが見られたら、水分補給や涼しいところへの移動などの対策を取ってください」
危険なサイン
- 顔が赤い
- 息が荒い
- 水を飲む量が少ない。飲むのを嫌がる
- いつもより元気がなく、バテているように見える
- 呼びかけてもいつものように反応しない
- おしっこの色がいつもより濃い、量がいつもより少ない
これらのサインが見られたら水分補給と涼しいところへの移動を!