1960年代にアメリカで起こったウーマンリブという女性解放運動があります。
1970年代には日本でもその運動が起こり、それが今の男女雇用機会均等法の制定につながったと言われています。

その頃から、男女平等やジェンダーフリーの立場から「男らしく」や「女らしく」という言葉が差別を生み出すと言われ始めました。

ですが、果たして男の子らしくとか女の子らしくと言って、子どもを育ててはいけないのでしょうか?

今回は、『グローバル社会に生きる子どものための-6歳までに身に付けさせたい-しつけと習慣』の著者で、日本と欧米の優れた点を取り入れたしつけを提唱している平川裕貴が、この問題について考えてみたいと思います。 

親が考えておきたい、社会のかなでの“性別”

先輩女性達が女性蔑視といういばらの道を切り開いてくれたお陰で、女性も参政権を得、社会に出て自由に働けるようになりました。
こうなるまでには長い歴史があり、今経営者として仕事をしている筆者は、こうして外で働ける道を切り開いてくれた先輩女性達にとても感謝しています。

ただ、社会に出て働いているからと言って、女を捨てたわけではありません。

女であることは私という人間を形造る大きな特性ですから、人生の選択の場では、まず判断材料の一つになりました。

 例えば、最初に選んだ仕事はCAでしたが、女性であることを活かせる、お世話されるよりお世話する方が好き、ただで外国に行ける(大きな声では言えませんが)などの条件に合ったからです。

中には、これまで男性の仕事と思われていた分野で仕事をする女性もいますが、それはその人がたまたまその仕事に興味を持ったということで、別に男になってやろうと思ったわけではないでしょう。

肉体的に男や女であることから逃れることは、一般的にはほぼ不可能なことです。性転換手術という方法はありますが、よほどの覚悟が必要ですよね。

男女平等と、自分が男性であることや女性であることを認めることはまったく別の次元の話だと思います。