ヤマザキナビスコカップ決勝の結果は、
ご存知の通り、鹿島が9年ぶり4度目の優勝を飾り、
リーグ戦、ナビスコカップ、天皇杯の3大タイトルの獲得数を15とした。
(鹿島に次ぐのが東京Vの3大大会7回優勝と言えば、いかに鹿島が抜きん出ているかわかるだろう)
ここでは、本来なら完勝していい内容ながら、浦和の堅守を崩せず、延長戦までいったレビュー……ではなく、前回に書いたコレオグラフィの批評……でもなく、前夜祭をフィーチャーしたい。
決勝前日、グランドプリンスホテル新高輪にて、前夜祭が盛大に行われるのだが、その内容は、なかなか伝わらないもの。
前夜祭当日の流れは以下のようなもの。
・ 浦和、鹿島の両監督・両選手がステージに登場
・ チェアマンあいさつ
・ 監督・選手インタビュー
・ ヤマザキナビスコ株式会社社長のあいさつ&乾杯
・ 歓談・会食(選手も会場で食事をします。ここでマスコミはインタビューし、パーティの招待客はサインをもらったり、記念撮影を撮ったりします)
・ ニューヒーロー賞発表・表彰
・ 歓談・会食
・ 閉会あいさつ
司会は決勝を放送するフジテレビよりアナウンサーが務めるなど、ナビスコカップ前夜祭は、他の追随を許さないコンプリートぶりを発揮しているのだ。
F1をはじめとしてモータースポーツや、テニス、ゴルフなどは、一流ホテルなどで会食&お土産付きの至れり尽くせりのパーティがあったスポーツ界であったのは、90年代の話。
00年代になると、まず会食が軽食に変わり、軽食が飲料に変わっていった。
そして会場もホテルからそれぞれの会社などに変わって行き、この先が見えぬ不況の中、パーティは絶滅しつつある。
そんな中、ド派手なパーティを開催し続けるヤマザキナビスコ株式会社のことを、マスコミ関係者は口を揃えて「ハラショー!」と、讃えるとか讃えないとか。
閑話休題。
ド派手なパーティを彩るのは、監督・選手だけではない。
前夜祭にふさわしい料理が、彩を添える。
他社のマスコミが選手や監督に取材する中、ひとり、メニューをメモしてきました。
怒涛の料理ラインナップがこちら。
・ 紅葉鯛うす造りポン酢添え
・ 木の子卸しそば
・ 海老アーモンド揚げと蟹爪香煎揚げ盛合せ
・ 豚カルビ彩り野菜巻き串打ち焼き
・ 鮭いくら丼
・ 握りすし(マグロ・鯛・数の子・穴子・サーモン・かんぱち・烏賊・海老・帆立)
・ サーモンのパイ包み焼きショロンソース
・ ローストビーフ カッティングサービス和風ソース添え
・ 真鯛のソテー小海老添えサフラン風味ソース
・ 鴨胸肉のロースト蜂蜜と木苺ヴィネガーのカラメリゼ
・ 子羊背肉のマスタード香草風味焼き
・ 大海老のチリソース
・ 五目あんかけそば
・ 豚ロース肉の甘酢ソース
・ 北京ダック
・ オードブルバリエ
・ カナッペ盛合せ
・ デザート4種、ケーキ3種、フルーツ6種
どうですか、このコンプリートぶり。
「豚ロース肉の甘酢ソース」を「酢豚」と言わないところに、グランドプリンスホテル新高輪のプライドを見たと言える。
さらに鮭をパイで包んだ上に、ショロンソース(エシャロット、ハーブ、トマトなどにワインヴィネガーと卵黄、バターを混ぜて作った上品な酸味のあるソース)をかけてしまう本気度。しかも、パイは鮭をかたどる徹底ぶり。
何も食事がおいしいから前夜祭を賞賛しているわけではなく、この不景気の中、前夜祭の名に恥じぬ盛大なパーティを実施する心意気がよし、である。
(しかも、マスコミ関係者はパーティ中は取材し、閉会のあいさつ間際、まだ残っている料理を一気にほお張る感じなのです。わたくしめもサーモンのパイ包み焼きショロンソースと握りすしを御相伴に預かりました)
最後に、ヤマザキナビスコの自信作、チョコレートピコラ、カスタードピコラのお土産までついてくることを綴り、この前夜祭パーティ・リポートを締めとしたい。
くどいようですが、我々マスコミは決して食事やお土産を欲しているわけではありません。
わたくしめを除いて……。