(写真左より)脇坂泰斗(川崎フロンターレ)、家長昭博(同) © J.LEGUE
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  • (写真左より)家長昭博(川崎フロンターレ)、田中碧(同) © J.LEGUE
  • 家長昭博(川崎フロンターレ) © J.LEGUE
  • 谷口彰悟(川崎フロンターレ) © J.LEGUE
  • 鬼木達監督(川崎フロンターレ) © J.LEGUE
  • 家長昭博(川崎フロンターレ) © J.LEGUE

「個人としては楽しんでサッカーをやりたいのが一番。ケガなく楽しみたい」

開幕戦で2ゴールを奪った川崎フロンターレの家長昭博は今季の目標についてこのように言った。一見するとクールなレフティらしいシンプルな言葉だが、じつはこの目標なかなかハードルが高い。

冒頭のセリフの後には、「チームとしては期待に応えて優勝できるようにがんばりたい」と続けている。

今季35歳を迎える家長だが、いまだにボールを蹴る喜びを失ってはいない。だからと言って、ただサッカーができればいいというわけではない。

もちろん試合に勝利するだけでは満足できない。攻守に相手を圧倒した上で自らもイメージ通りのプレーを実践し、完勝する……だけでもまだ足りない。

シーズンを通して、自身もチームも自分たちのサッカーを貫き、タイトルを手繰り寄せて初めて個人とチームの目標を達成できるのだ。

J1リーグ開幕戦で見せた家長の圧巻のゴール

家長はこの日、「2ゴールはでき過ぎだと思う。そのほかのプレーは至って普通だったが、点を取れて勝てたことはよかった」とも口にしている。家長の自己評価がとてつもなく厳しいことが窺い知れるだろう。

家長昭博(川崎フロンターレ) © J.LEGUE

2月26日、横浜F・マリノスとの『明治安田生命J1リーグ』開幕戦で見せた家長のゴールシーンは圧巻だった。

21分に右サイドで家長がインサイドハーフ脇坂泰斗にボールを託すと、脇坂は同じくインサイドハーフの田中碧とワンツーからゴール前へ浮き球を放る。そこへ家長を追い抜いて走り込んだ右SB山根視来がヒールパスでつなぎ、冷静にタイミングを計った家長が左ボレー一閃。

家長昭博(川崎フロンターレ) © J.LEGUE

43分には中途半端な相手のクリアボールを右サイドの高い位置で収めた田中が脇坂とワンツーパス、続いてCFレアンドロ・ダミアンとのワンツーからクロスを放つと、家長が頭から飛び込んでゴールを揺らしたのだった。

ふたつのゴールシーンを家長は「練習でやっている形が1点目に出てよかった。本当に視来のボールが素晴らしかったし、あとは集中してシュートを打つだけだった。(2点目は)碧が抜け出した瞬間にいいクロスが上がってくると思った。非常にいいボールがきて、決められてよかった」と振り返った。

ゴールシーンだけではない。家長にボールが収まると、タメができた。

高度なスキルと体幹の強さを両立し、高いサッカーIQと広い視野を兼ね備えた家長がボールを持つと相手DFは容易には飛び込めない。スペースが少なく、攻守の切り替えが早い現代サッカーにおいて、家長の周りだけが時がゆっくり流れているような錯覚に陥るのだ。そう感じさせるだけの独特の間合いと言うか、懐の深さを家長は見せ付けている。

鬼木達監督(川崎フロンターレ) © J.LEGUE

統一感を持った守備で失点ゼロで勝ち切る

この日の川崎Fは守備でも盤石だった。攻撃から守備の素早い切り替えで、マイボールを失ってもすぐさまボールを取り返し、再び攻撃を作り直していた。

相手ボールになっても組織立った守備で連続したディフェンスを披露。横浜FMのパスワークに付いていくだけではなく、ここぞというところで囲い込んでボールを奪取した。

試合後、鬼木達監督は「守備のところ、囲い込みのところを強調して試合に入った。選手は攻撃的なチームを相手に怖がらずに前へ前へ行ってくれた。後半に体力的なところで、引いて受ける時間もあったが、それでも『FUJI XEROX SUPER CUP 2021』の時にはあそこ(後半2-0)から2点取られたことを考えると、失点ゼロで抑えて勝ち切ったことはすごく評価できる」と選手たちを称えた。

谷口彰悟(川崎フロンターレ) © J.LEGUE

CB・谷口彰悟主将も「マリノスが後半になって非常に前へパワーをかけていた。なかなかマイボールにできず守りの時間が長かったが、課題を生かすことができた。ずるずる下がった感じになり、どこで守るのか、コンパクトに間延びしない守り、簡単に引かない、単独で追わないという声かけはできていた。『FUJI XEROX SUPER CUP 2021』の時よりは統一感を持った守備ができた」と胸を張った。

家長も指揮官、主将の言葉に同意する。

「前半からみんなで集中して声を掛け合いながらできた。後半に押し込まれた時も、みんなで助け合いながら勝てたので、非常によかった」

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