ニモを探すマーリンとドリー。『ファインディング・ニモ』 ©2016 Disney/Pixar

2003年に日本で公開されると興行収入110億円という、ディズニー/ピクサーを代表するメガヒットとなった『ファインディング・ニモ』。水族館では、カクレクマノミを見た子ども達がみんな「ニモだ!」と叫びました。

ところで、一見この子ども向けにも見えるアニメーション作品が、なぜこのような大ヒットになったのでしょうか? そこには意外な理由があったのです。

過保護な父、ちょっと心配を抱えるニモ、それぞれの旅

©2016 Disney/Pixar

図らずも父子家庭となってしまった心配性で過保護の父マーリンと片方の胸ヒレが小さくまっすぐ泳げないニモ。

父マーリンは、ひとり息子のことを心配しながらも、小さいヒレを「幸運のヒレ」と呼んで、ニモ自身に劣等感を抱かせるようなことはしませんでした。

ある時、過保護すぎる父への反発から、自ら危険に飛び込み人間に捕らえられてしまったニモ。ニモを助けるための父の果てしない旅が始まります。

ニモとマーリンが旅の途中で出会う様々な出来事や試練を通じて、広い世界には恐ろしい敵も親切な味方もいること、そして、子を思う親の愛情の深さを教えられます。

©2016 Disney/Pixar

一方捕らえられたニモにも素晴らしい仲間ができ、小さな水槽の中でも、助かるために知恵を絞り、諦めずに挑戦し続けるなどたくましく成長していきます。

意外に深い。ドリーの言葉

ストーリーの中で、父マーリンは親として大切なことを学んでいくのですが、そのことに気づかせるセリフはほとんど、一緒に旅するナンヨウハギのドリーの口から語られます。

©2016 Disney/Pixar

例えば、ニモに危ないことが起こらないようにしたいというマーリンに、ドリーはこう言います。