貯蓄を心がけていない人には耳が痛い……困ってからじゃ遅いから貯めるんです!

――映画と少し重なる部分でもありますが、ないときに貯めようとするときの心持ちとして大事なことはなんですか?

永田:はっきり言うと、お金に困ってから貯めても遅いんですよ。映画の商人たちもそうだったように、初めから持っている。そういう人は持っているんです。だからお金を持つ(貯める)という心がけを持ちましょう、ということです。

今の若い子たちは困っているわけじゃないんです。困ってからでは遅いので、苦しむほとんどの人が豊かにはなりづらいんですよね。若いときにその知識があるかどうかが大事。例えばこれが30代だったら、少ししんどいんです。20代の前半でそれに気付けると、やっぱり人と差がでてアパートが買えたりするんですよ。

――どういうきっかけでそれに気付いて富女子会に入られるんですか?

永田:女性は話せば気付きますよ。男性は働けばいいと考えるんですけど、女性はいずれ働けなくなるんだ、というのが想定にあるんですよね。

――未来への不安感みたいなものがあるんでしょうか。

永田:それは男性よりも強いです。男性は「なんとかなるわ」と思っていますが、女性は思ってませんから。

――その気付きが早い子たちがこの富女子会にどんどん応募してくるという感じですか?

永田:そうですね。でも気付いていない子も、今の自由っていうのは高校生の夏休みみたいに期間限定でしょ?って話すと、大体「そうだな」って気付きますよ。

そして目的と貯めるシステムや仕組みを教える。例えば、じゃあお金を貯めてその後どうするんですか?って聞いたときに、富女子会だと1000万貯まったらそれを頭金にしてアパートを買って、家賃収入を得ましょう、または1000万で他の投資をしましょうとか、貯めることがゴールじゃないということをふまえて教えます。

富女子会に入れば男性に依存しなくなる!?

――富女子会に入るとみなさんどのように変わられますか?

永田:男性に依存しなくなるんじゃないですか?結婚がすべてみたいにならない。話す内容も「あなたの彼は何してるの?」など男性のことは話さなくなりますね。それより自分で自立する。自立するということは、男性に依存しないということ。巷の女子会に行くと男性の話題が多いけれど、富女子会ではお金の話しか出ないですよ(笑)。

――逆に永田さんが富女子会のメンバーから学んだことってありますか?

永田:女性は1回やり始めたらやめない!すごい、強い(笑)!男はけっこう誘惑に負けちゃうんです。だから僕はあまり節約術は知らないんですよ。僕はあまり節約をしないのでそういったことは教えないんですけど、彼女たちは自分たちなりにやっていますね。

あと女性の方が素直です。会社をやめて不労所得を得たいと口に出して言える。結局彼女たちの望みというのは、別に会社の中で部長とか取締役になるのが目標じゃないんです。女性の社会進出をそういう風に捉えるのは男性観だと思います。彼女たちはトイレのフタまで金にしたいとか考えているわけじゃなくて、子どもが生まれてもその中で困ることなく環境を整えたい、くらいの感じなんです。だから現実的ですよね、女性のほうが。

――今後の富女子会のビジョンは?

永田:ほとんどの若い女の子たちは何も考えてないんです。でも言われるとやる。だから僕なんかと1時間話せば、すっかり違う人に変身します。お金を貯められないのは、目的とか将来予測、そういうことを知らないからなんです。世の中では「会社で一生懸命働きなさい」とか、そういった仕事のことは頑張りなさいと言われますけど、一生懸命お金を貯めなさいとは言われないでしょ?

――確かにナイーブな話題ではありますよね。

永田:それでお金のことを喋るのは良くないみたいな風習があるじゃないですか。でもやっぱり消費文化だから、使ったらなくなる。基本的に、使わないことと収入を増やすこと。これができればお金は貯まっていくんですよ、必然的に。

最初に僕はみんなに月に10万貯めなさいって言うんです。だいたい2~3万貯めていた子は5万が精一杯だって言うんですけど、この富女子会に入ると、みんな10万ずつくらい貯めているから、変わってくるんですよ。

――どうして変われるんでしょうか?

永田:ひとつは僕の説得、それと仲間がそういうことをやっているから。メンバーに「貯金いくらしてますか?」って聞いたら、2万と言う人はいないですよ。その中にいたら自分がおかしいのかな、と思うじゃないですか。「なんで私だけ?」って。その効果がとても高いですね、富女子会は。

――自分とあまり変わらない年齢の人たちができているって聞いたら、逆に自分は何してるんだろうって思うかもしれないです……。

永田:そうそう。その意識がハッキリしたら、普通にやっていけます。無理がないんですよ。メンバーにはそんなにストイックな子はいないし、普通の女の子たちばかりです。

映画でも周りがお金を出すって言ったからみんな出したけど、1人だったらやらないですよね。あの子も1000万貯まったんだから、あなたも貯められると言うと、わりとできるんです。

アパートのオーナーだったり、1000万貯まっている子たちもいる。でも彼女たちの給料を聞いたら普通なんですよ、25万とか。じゃあ何かすごいことしてるんですか?って聞いたら「別に何もやってません。普段から心がけてます」って答えます。きっと彼女たちに「どうしてお金が貯まるんですか?」って聞くと、「なんで貯まらないんですか?」って返ってきますよ(笑)。自分の中で貯まらないと思い込んでいるだけで、考え方を変えれば貯まるんです。

映画も富女子会も1人ではきっと無理

――今回の話で、3億円達成できたキーポイントはどこだと思いますか?

永田:富女子会メンバーも言ってましたけど、1人でやってないんですよね。結局1人じゃ無理なんですよ、使うほうが面白いんだから。名誉が欲しくて自ら出すという人もいましたけど、他の人が出すから俺も出す、って言う人もいる。元々、純粋にお金を貯める人って少ないと思うんです。でもつられるんですよ。今回の話だと子孫繁栄など大義名分も綺麗ですしね。だから目的がちゃんとしていて仲間がいたら、3億であろうが金額の問題じゃなく出来るんじゃないかな、と思いました。

――映画は1回めと2回めで観た印象が変わったとおっしゃっていましたが、どう変わりましたか?

©2016「殿、利息でござる!」製作委員会

永田:1回めは全体のストーリーを追いますが、2回めだと登場人物1人1人の個性が見えてくるんですよね。俳優さんの表情なども見えて、どういう人物なのか1人ずつよくわかってくる。お金との向き合い方がみんな微妙に違いますね。

――ありがとうございました!

友だち同士でもなかなか出しづらいお金の話。仲間がいればできる、集団意識恐るべし!また、富女子会メンバーからも映画自体が本当に楽しめたという声が多く、感動して泣いてしまったという人もたくさん!富女子ではない筆者も大好きな作品でした。阿部サダヲさんのコミカルなビジュアルからは一見コメディかと思うのですが、後世に繋いでいこうとする熱い想いが詰まった、笑えてホロリと泣ける人情ドラマです。

また、仙台出身の人にはわかるご当地の有名人が一瞬出てきたり、そんな楽しみも隠れているらしいですよ。