■上級者コースを回避して、一般コースへ
さて、ここからが問題の西岳。どうやら西岳には上級者コースと一般コースがある様子。
で、ここの上級者コースは壁をよじ登るようなコースとなっており、また、事故防止のためにルート上の鎖の殆どが取り除かれているというのです。
原始のまま残る西岳。「なんて自然に優しい山なんだ」と、ポジティブな気持ちにはなれず、いささかモヤモヤしながら一般ルートを選びました。
やはり、この2人と上級者コースは心配……。西岳の岩場はほぼ垂直のようなものがチラホラ。ヘルメット・手袋もなしに訪れた我々には登るべき山ではありません。
皆さん、くれぐれも上級者コースにチャレンジする際は十分な準備を!!
物足りないと思う登山者の方、安心してください。一般コースもなかなかハードです。
初級者コースでも鎖場がいくつかあります。滑落すると大きな事故になるので慎重に。
当日は雪も残っておりなおさら慎重になりました。腕を使って足をつかって、うまく体重を移動させながら鎖を登っていきます。そこからおよそ90分で山頂に。
ただ、そこからが怖かった。稜線にそって下山していくのですが、痩せ尾根のため注意が必要。ここで滑落するとこれまた大事故となります。慎重に足を伸ばし、両手を伸ばし、ゆっくりと下山。
数時間前には大事故のことなんて想像することは無かったのですが、これは一歩間違えるとありえるぞと……自分のたちの準備不足を後悔。
これ、登山で絶対にやってはいけないことですね。
無事に下山することができましたが(午後14:00)、ふり返って自分たちの登った山を見返すと、ふと、友人がつぶやきました。
「ヨセミテじゃないか」
(ヨセミテには登ったことがないですが、それほど迫力があったので)私は、大きく頷きました。