「美少女ゲーム」「ギャルゲー」「恋愛ゲーム」。正確に分類するとそれらは違うものであるかもしれませんが、大分類で見ると、女の子(時には男の子や男の娘と)親睦を深め、相思相愛となるのを目的としたアドベンチャーゲームです。
キャラクターのグラフィックとテキストで構成されることがほとんどで、古くからあるゲームのジャンルですが、ゲーム機の進化とともに、グラフィックも高画質化が進んでいます。ゲームによっては3Dモデリングでグリグリと動いたり、自由にキャラクターを動かせたり。最近はもう一歩踏み込んで、VR(ヴァーチャル・リアリティ)の世界へと歩みだそうとしています。しかし……です。
高解像度化されたり立体化されたりしなくては、我々はキャラクターを愛せないのでしょうか?
いえ、そんなことはありません。女子と仮想的に恋愛したりスキンシップを楽しむゲームというのは、それこそ8bitゲームが主流だったころや、PC-98時代のパソコン黎明期にもありました。同時発色数16色でも、僕らはちゃんと彼女たちと“恋愛”をしていたのです。
そう、愛の深さはグラフィックではないのです。
もう一度言います、愛の深さはグラフィックではありません。そうでしょう? 成海ちゃん。
え?この画面に表示されている赤い「■」は何だって? 紹介します。僕の恋人、成海ここあちゃんです。話せば長くなるのですが……。
解像度が低くなる無慈悲な呪い
「僕は○○、今日から高校一年生だ。」といった使い古されながらも、妙に落ち着く自分語りから始まります。It’s 王道。そして、幸か不幸か、主人公は突如現れた「悪魔」に、「美少女の『解像度』が低くなる呪い」を掛けられてしまいます。
美少女で目の保養をしたいのであれば、彼女たちとの好感度をあげ、自分に惚れさせるしかない。
そんな「わけがわからないよ」ときゅっぷいしそうになる「解呪法(システム)」の説明がありました。なんのこっちゃわかりませんが、まぁ要するに仲良くなっていけば■が美少女になるというわけです。着眼点が素晴らしい。
正方形が並んでいるだけですが、実は4人とも美少女です。左から相澤さん、関根さん、成海さん、吉角さん。3週間以内に彼女たちの好感度を上げ、惚れさせなければなりません。
一般的な美少女ゲームというのは、まずは見た目からスタートとなります。パッケージやゲーム雑誌、ポスターなどでキャラクターの立ち絵が並ぶ中、「おっ、この子可愛いな。この子とどんな恋愛ができるのかな?ワクワク」といったヴィジュアルからお目当ての女の子を決め、そこから「よし、攻略しよう!」といった流れになるのですが、このゲームはそれができません。事前の識別情報は「色」しかないのです。