博報堂こそだて家族研究所がインタースペースと共同で、2019年5月にママスタジアムユーザーの同居子どもがいるママ413名に向けて実施したアンケート調査では、ママたちの「欲求」は満たされているかについて、「生理的欲求」は1割強、「安全欲求」は約3割が満たされておらず、「社会的欲求」「承認欲求」は5割前後、「自己実現欲求」は約6割が満たされていない結果に。

最近よく耳にするようになった「承認欲求」という言葉。

本調査で参考にされていた、アメリカの心理学者アブラハム・マズローの「マズローの欲求5段階説」によれば、承認欲求とは、「賞賛されたい、承認されたいという欲求」のことで、生理的欲求、安全欲求、社会的欲求の上にくる欲求のことです。

約半数のママが満たされていないと回答しているのは、複雑なところです。では、どうすれば、子育て中、承認欲求を満たすことができるのでしょうか。

そこで、今回は、キャリアコンサルトの国家資格を持ち、女性や子育て中ママのキャリアデザインを支援するEncourage House運営する、三児の母でもあるくれゆかさんに、ママが承認欲求を満たす方法を聞いてみました。

正直、自分の「承認欲求」は満たされている?

まずはくれさんに、自分の承認欲求は満たされているのか、過去から現在にかけての本音を教えていただきました。

くれゆかさん(以下、くれ)「私は今、三人の子どもがいるのですが、今振り返ってみると、一人目・二人目の出産後は、承認欲求不足だったなと感じます。

一人目の産後は、初めて『ママ』という役割が増えて、あたふたと慣れない子育てに、がむしゃらになりながら、周りが見えていない状態でした。

当然、周囲からの励ましや声がけはたくさんあったんだろうと思いますが、それをありがたく受け入れる心の余裕がなかったのかな?と思います。だから、毎日必死だったことばかりしか記憶にありません(笑)。

二人目の出産後も、はじめての子育てではないにしろ、上の子もまだ小さく、めまぐるしい毎日に子育てを自分一人で抱えがちで、寝不足とストレスが原因で過呼吸になってしまったこともありました。

そこで、運ばれた病院のナースに『同じようなママたくさんいるんですよ。子育てがんばっているんですね。ゆっくり休んでくださいね。』と優しい言葉をかけられたときに、『ああ頑張っていることを誰かにわかってほしかったんだな』と初めて自分の心に気づき、涙が出ました」

くれさんは、そのとき、大きな心の転機を迎えたそうです。

くれ「それをきっかけに、『母になった自分』を今一度考えるようになりました。子どもが生まれてものすごく幸せなのに、子育てを抱えて無理をしている自分をどうにか変えないと、子どもも自分もハッピーじゃなくなってしまうな…と実感したんです。

それからは、『しんどかったら人に頼る』『疲れているときはすぐ寝る』『子どもと離れる時間をつくる』を自分の中の三原則にして、ベビーシッターなども積極的に活用するようになりました。

そんな経緯があったので、三人目の出産前からは、とにかく産後は無理をしないで楽しく!と決めていたので、現在第三子が一歳になったばかりですが、特にトラブルなく楽しく過ごせています。

気持ちの余裕ができて、夫や周囲の励ましを素直に受け入れられるようになったことと、上の子たちも小学生・幼稚園生と大きくなってきて『ママありがとう』『ママのつくってくれたご飯おいしい!』など具体的な言葉で褒めてくれることが多くなったので、承認欲求は満たされているなと実感しています」