「ペットサーチアイ」では、大きく2通りのアプローチで猫の捜索を行なう。
1つはチラシ配布や聞き込みによる、目撃情報の収集。もう1つは猫が逃げた時の状況から、現在どのあたりに隠れているか推理しての目視確認。ごはんやマタタビなどの好物を入れた捕獲器を設置することもある。

1日あたり7時間の調査を基本とし、天候や周囲の人通りなどから捜索・巡回の時間帯を決めているそうだ。このあたりの状況判断はプロならではだろう。

気になる“調査の成功率”について、白根さんは次のように話す。

「室内飼いの猫で、いなくなった当日にご連絡いただければ9割以上は発見できます。反対にいなくなってから時間がたてばたつほど、ご依頼いただいても発見は難しくなってきます。

さらに細かいことを言えば、早めにご相談いただいても実際の捜索活動はあえて数日たってから行う場合もあります。他人の敷地の床下など人が入れないところに隠れている猫は発見しにくいのですが、猫の性格によってそこから出てくる日数が異なるので、いつ捜索するのが発見しやすいかをプロが判断するのです。

早めにご依頼いただくことで、いつどんな手を打てばいいのかを効率的に作戦だてることができます。全体としての発見率は7割ほどです」(同)

依頼は早いほど良いが、あえて捜索スタートまで数日待つ場合もある……ここにもプロの経験が生きているようだ。

ペット探偵の“秘密道具”を公開!

ドラマなどの影響で「探偵といえば秘密道具」というイメージがあるかもしれないが、実際にペット探偵でも、長い調査経験に裏打ちされた数々の道具が活用されている。代表的な5種類のアイテムを教えてもらった。

【1】捕獲器

警戒心が強い猫を捕まえるための装置。猫の通り道か寝床、ほかの猫があまりいないところ、ある程度奥まっているが遠くから目視確認できるところ、地面に置いて安定するところ、雨に濡れないところなどを選んで設置する。

【2】洗濯ネット

猫を無事保護したときに入れる、キャリーバッグの代用。

【3】懐中電灯

夜間、建物の隙間など猫が潜んでいそうな暗がりに光を当てて捜索するためのもの。猫は物音のする方をたいてい見ているので懐中電灯の光を反射して目が光り、遠くからでも存在を知ることができる。LEDLENSERやMAG-LITEなどのブランドで、光が強くまっすぐに届くものがオススメ。「ペットサーチアイ」では雨天でも使える防水機能つきのものを使用している。

【4】マタタビ

ほとんどの猫の好物。携帯に便利な粉末タイプを用意している。

【5】ボイスレコーダー

飼い主が猫を呼ぶ声をあらかじめ録音しておき、捜索時に役立てる。

こうした数々の道具に、プロとしての知識・経験が加わり、一般人が探すよりも高い発見率が見込まれるのだという。

「屋外に出たことのない臆病な家猫の発見率は、特に大きな違いがあります。一般の方が一度チェックした場所を、プロが再度見てみたら猫が隠れていたということも多いです。経験から猫が潜みそうな場所のパターンがわかり、視野に入った猫の体の一部分(背中の丸みや光る目など)を目に留めるからです」(白根さん)