昨今の猫ブームは「ネコノミクス」などとも呼ばれ、ほどなく国内での飼育数は1,000万頭を突破しそうな勢いだ(ペットフード協会調べ)。だが一方で、猫を飼う世帯が増えるということは、“猫の脱走・失踪”というリスクの増大も意味している。
もし愛猫が突然いなくなってしまったら、どうやって探せばいいのか? プロはどのように捜索しているのだろうか? 今回はペット専門の探偵業者「ペットサーチアイ」に取材を申し込み、プロフェッショナルならではのノウハウを聞いてみた。
ペット探偵ってどんな仕事?
今回の取材に応じてくれた白根 太さんは、キャリア15年のベテラン調査員。まだペット探偵の存在を知らなかった頃に迷子犬を保護し、警察経由で無事に飼い主のもとへ届けた経験をもつ。その直後にペット探偵の求人を見つけ、運命的な出会いを感じたのが、この業界に入るきっかけになったという。
白根さんを擁する「ペットサーチアイ」の活動範囲は、おもに東京、神奈川、埼玉など首都圏。しばしば関西や中部地方まで出張してペット(犬猫)捜索を行なっている。
ペット探偵のやりがいについて、白根さんはこう語る。
「私自身も現在犬と暮らしており、家族の一員であるペットがいなくなった時のつらさ、悲しみに共感できます。そんな動物たちのために自分が役に立てることが、ペット探偵のやりがいです。
慣れない外の世界でおびえていた猫が無事に家へ戻り、ごはんを食べたりお気に入りの場所で寝たりするなどリラックスする姿を見たときは、嬉しくなりますね」(白根さん)
同時に、苦労もあるそうだ。
「猫を探すため敷地内に立ち入らせていただくなどの許可が、近所の方から得られないときは大変です。また、迷子猫のチラシをまいても情報が入ってこない場合は焦りを感じたりしますね。ほかには、捜索中は歩きっぱなしであること、季節によっては暑さ寒さが厳しいことも苦労といえるかもしれません」(同)