親なら誰しもが、自分の子どもに対して「賢い子どもに育って欲しい!」そう思うはず。

しかし、具体的に賢い子ってどんな子なのでしょうか? そして賢い子を育てるために親は何をすればいいのでしょうか?

今回は、16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える 「賢い子」に育てる究極のコツ』の著者であり、東北大学で、脳科学の観点から認知症などの研究をしている瀧靖之教授にお聞きしました!

子どもの可能性を伸ばすために図鑑が効果的な理由

――教授は著書の中で、賢い子に育てたいなら、子どもへの最初のプレゼントは図鑑とおっしゃっていますよね?これってどんな理由があるんでしょうか?

「まず、賢い子というのをどういった子と捉えるかなんだけど、僕は賢い子=好奇心の高い子だと思っているんですよね。

僕はずっと、小さい頃は優秀なのに伸び悩んでしまう子と、ずっと伸び続ける子の二者の違いって何だろうって思っていたんだけど、この違いが好奇心の高さの差なんですよ。

好奇心の高い子というのは、好きだから、知りたいから勉強するといった感じで、自分から好奇心を持って学ぶことができます。

それで、大人になっても常に知的好奇心を持って自ら学び続ける人と話しをする機会があると、本当にみんな面白いほどに、小さい頃から図鑑を読んでいる。」

――でも、どこの親も子どもが本当に小さい時から絵本などを使って読み聞かせをしていますよね? 同じように図と文字が書かれている絵本と図鑑の違いって何なんでしょう?

「すごく良い質問ですね(笑)。まさにそこなんです。もちろん、絵本がダメだってことではなく、子どもの脳を鍛えるためにはむしろ大歓迎! どんどん読み聞かせはやった方が良い。

そこで“なぜ図鑑なのか?”ってところなんだけど、例えば、虫の図鑑や星の図鑑を見たとしますよね?外に出ると、すぐに図鑑で見た星が目の前に広がっている、虫が実際に手で触れる位置にある。

図鑑は、そういった現実とバーチャルの結びつけがしやすいんです。子どもの好奇心を満たすのにピッタリなんですよ。」

――確かに! さっきまで本の中にいたものを、実際に目の前で見ることができるって子どもとしてはワクワクしますよね。

「そうそう、賢い子に育てたいなら好奇心を育てる、好奇心を育てたいなら目の前に広がっている世の中に興味を持たせることが大事なんですよ。

図鑑は世の中の広さを知ってそれに興味を持つ、とっかかりとして最適なんです。」