最新曲に続いてフィナーレを飾るのは文字通りのラスボス
10周年に向けて、現在進行形で生まれ続けている「初音ミク」の楽曲。その今の姿として、最新楽曲「ウミユリ海底譚」(n-bunaさん)、「ヒビカセ」(ギガPさん)、「ゴーストルール」(DECO*27さん)をメドレー演奏。オーケストラの演奏でも、そのバラエティの豊かさは健在。現在も、新たな世代から新たな楽曲が生まれていることを実感しました。
そしてフィナーレを飾るのは、歌手・小林幸子さんが歌ったことでも知られる「千本桜」。カラオケランキングでもトップの常連として、幅広い世代に浸透している名曲は、ヴァイオリンやトランペットなどが疾走感を際立たせるだけでなく、和装のダンサーなどの演出も曲の世界観を一層広げていました。
アンコールは“まさか?”と“納得!”の展開
演奏終了後、鳴り止まない拍手の中、一度退場した指揮者が再び登場。「ミクさんの曲だったら、あの曲もこの曲ある」というファンの気持ちに応えるように、アンコールがスタートしました。
その1曲目に選ばれたのはまさかの「ぽっぴっぽー」(ラマーズPさん)。会場からどよめきと笑いがあふれたのち、即座に曲に合わせたクラップが自然発生。オーケストラの演奏の一方で、スクリーンには、原曲の左右に腕を振るミクさんのPVが流れ、とてもシュール、かつ楽しい雰囲気にあふれ、会場が一体となっていました。終了後の拍手と歓声は、この日一番のように感じました。
2曲目はGoogle ChromeのCM曲としても話題になった「Tell Your World」(kzさん)。世界に広がるミクさんを改めて目の当たりにしていると、指揮者から“もう1曲ある”とのハンドサイン。
一体何が……? と思っていたところで演奏されたのはryoさんの「メルト」。当日、披露された名曲のなかで、唯一入っていなかった曲といっても過言ではなく、会場(および筆者)の待望感はすさまじいものがありました。
演奏後、観客からは割れんばかりの歓声とスタンディングオベーション。それは、オーケストラのメンバー全員が退場するまで、決して鳴り止むことはありませんでした。