2007年7月〜9月にかけて放送されたアニメ『School Days』。クズ過ぎる主人公やショッキングな惨劇シーン、果ては最終話の放送中止と代わりに放送された内容(=Nice boat)など、忘れられない夏の思い出を与えてくれた人気作が、2017年で10周年を迎えました。
本作が語られるとき、往々にして前述のような過激さとネタが先行してしまいます。とはいえ、今もなお、私たちの記憶に強く刻まれているのは、それ以外の魅力があったからこそ(だと思いたい)。
今回、本当に僭越ではありますが、10年という節目を迎えた『School Days』を改めて視聴。当時を振り返りつつ、名場面を5つピックアップしました。
最終話の衝撃から生まれた“Nice boat.”とは?
作品を振り返るにあたって、まずは基本情報をおさらい。アニメ『School Days』は、有限会社スタックのアダルトゲームブランド・オーバーフローが手がけた同名ゲームが原作。主人公・伊藤誠と、2人のメインヒロイン・西園寺世界(さいおんじせかい)と桂言葉(かつらことのは)を中心とした、高校生による愛憎劇です。
ちなみに、有名な「Nice boat.」は、最終話の放送を中止したテレビ神奈川で流された映像から生まれたネタ。ボートや城などを映した映像を目にした人が、海外の画像掲示板で放った一言がきっかけです。いまや、本作の代名詞のような存在になってしまいました。
世界と言葉、2人が残した凶器と狂気
新たな魅力と言っておきながら、衝撃的なインパクトを残したシーンは、いま見ても恐怖を感じます。やはり、外せません。最終話「スクールデイズ」のBパート、誠の子を身ごもったにも関わらず、裏切られた世界が誠を手にかけるシーン。
「ごめん」から始まるメールを下へスクロール……最後に表示された「さよなら」の一言。いとうかなこさんの「悲しみの向こうへ」のイントロが流れるやいなや、“ドスッ……!!”とひと突き。「ひどいよ!」「自分だけ、桂さん(言葉)と幸せになろうなんて!!」と、世界が誠への思いの丈をぶつけまくります。6回くらい。
最終話からはもうひとつ。誠の死を知った言葉が、世界を呼び出してからの一連のシーン。凶器を手に、狂気を心に「西園寺さんの言っていること、確かめさせてください」という言葉。
世界が持ってきた包丁を取り出そうとした瞬間、言葉が一歩早くその手を押さえつけるファインプレー。見事に“確認”を終えた言葉は、「中に誰もいませんよ」と名言を残すのでした。