南海トラフ地震や東京直下型地震など、一瞬にして人々の日常や幸せを奪ってしまう大地震は、今後数十年の間に起こる確率が高いと言われています。
現在予想されている地震に限らず、日本に住んでいる以上はどこにいても大地震に遭遇する可能性はあり、いざという時の備えは必要です。
阪神淡路大震災や東日本大震災の経験から、日本人の災害に対する意識は高くなってきていますが、まだまだ「自分は被災するはずがない」と信じている人は多く、全く備えていない人、備えていても足りない人、間違った備え方をしている人は多いと言います。
そこで今回は、大切な子どもの命を守るべく、防災アドバイザーに聞いた目からウロコの災害時の備えを17個お伝えします。
震度6強で何が起こる?知っていれば子どもの命が守れる!目から鱗の防災時の備え17選
「自分は被災するはずがない」「自分は死ぬはずがない」と信じている人は多く、実際に被災した人たちからも「まさか自分が被災するとは・・・」という言葉が聞こえてくるほど、震災が自分に降りかかってくることを想定している人は少ないものです。
いつ来るか分からない大地震。今日かもしれませんし、明日かもしれませんが、いざという時に生死を分けるのが、備え方(防災の知識)であると言っても過言ではありません。
では、どんな備え(防災の知識)が必要なのでしょうか。目からウロコの災害時の備えを防災アドバイザーの菊池顕太郎さんに聞いてみました。
勤務中に大震災!3日は自宅に帰れない!
災害直後は交通網が寸断され、道路は混乱し、延焼火災などの恐れから、すぐに勤務先を出ることは出来ません。災害の規模にもよりますが、勤務先や勤務先付近の避難所での寝泊まりを余儀なくされることもあります。
子どものことが心配でもすぐには家に帰れず、電話もつながらなくなりますから、以下のことを念頭に、子どもに話しておく必要があります。
- 自分がいる場所より自宅近隣の被害が大きい場合、帰宅する道路の状況と延焼情報が入手できるまでは、帰宅しない
- 近隣の収容避難所で待ち合わせをする人が多いが、避難所は大混乱。少し離れた親戚宅などをお互いの連絡場所として決めておくと良い。(三角連絡法)
- 伝える内容は「どこにいるのか」「怪我の有無」「どこへ行こうとしているのか」「今不安に思っていること」
- 不安からスマホでSNS情報を見ていると、いざという時に電池が切れて使えなくなる
- 家族や子どもなど、生きていればいずれは会える。その場で一番良いと思われる生き残るための選択を行う
いざという時「119番」はつながらない!救急車は来ない!
災害時は119番に掛けても電話はつながりません。にもかかわらず、つながることを想定した訓練がされています。
119番がつながらないということは救急車も来るはずがなく、運よくつながったとしても道路は大渋滞。救急車が駆け付けることは出来ません。
大怪我をしてもまずは、本当に救急車を呼ぶ必要があるのか、命にかかわる怪我なのかを考え、安易に救急車を呼ぼうとせず、自力対応をするようにします。人口が多いと言われている東京都の世田谷区でも救急車は14台しかありません。
怪我をしたらまずは止血を!
災害時は病院も被災しているため、命にかかわる重傷患者が優先されます。よって大怪我をしていても優先的に診てくれるとは限りません。
ですから怪我をした場合、まずは止血を一番に考える必要があります。大量出血をしたまま放置すると、体温が急速に低下し、仮に気温40度の中でも毛布で保温しなければならないほど体温を奪ってしまいます。
低体温防止のため止血は重要であることを覚えておきましょう。
ピンク色のキレイな血が噴き出していたら、動脈が切れているかもしれません。動脈が切れている場合には、時間との勝負です。
至急心臓に近い部分を幅の広いバンドやロープで、きつく縛り出血量を少なくします。「きつく縛ると痛い」と訴えて、ゆるめに縛ると出血量が余計に増える場合が有ります(静脈のみ押さえられて鬱血している状態)ので、きつく縛ってください。
止血帯(ターニケット)の使い方を学んでおきましょう。