日々の仕事だけで手一杯。そんな毎日の中に突然やってくる子育てという人生最大の大仕事!
世の中のママたちは常にキャパオーバー寸前です。余裕のなさから毎日イライラ……。
その苛立ちを子どもにぶつけてしまっていませんか?
毎日子どもの寝顔を見て反省していませんか?
今回は、母学アカデミー学長で『東大・京大生を育てた母親が教える つい怒ってしまうときの魔法の言い換え』(イースト・プレス)の著者である河村京子さんにインタビュー。
子どもに怒りをぶつけてしまうこと、その影響や怒らないための心がけについてお聞きしました。
親の怒りが爆発したとき子どもの心になにが起きているか
――河村さんは著書の中で、つい怒ってしまう時の言葉の言い換えについて書かれていますが、まず怒るということは叱るということとは違うのでしょうか?
河村京子さん(以下、河村):混同されている方が多いのですが、同じように怒っていることを伝える方法である、叱ることと怒ることというのは全然違うことなのです。
叱るというのは、子どものためを思って行う行為で必要なことです。これは自分自身が冷静な状態でなければできないことなんですね。
対して、怒るというのは、怒っている人間自身のストレス発散です。感情的に怒りをぶつけた時ってなんとなくスッキリしませんか?
怒るという行為は、子どものためではなく、親自身がストレスを解消するための行為なのです。
――そのように感情に任せて子どもに対して怒ってしまうことは、子どもの心理状態にどのような影響が出てくるのでしょうか?
河村:親が子どもに怒ってしまうような場合って、子どもが幼ければ幼いほど、子どもにとっては悪気のないことが多いんですよね。
そんな時に突然「ダメ! 何やってるの!」なんて大きな声を出されたら、子どもはわけもわからないまま怖気づいてしまいます。その時点で心が固まってしまうのです。
そういったことが続くと、子どもは怒られている最中に心をほかの場所に飛ばしてしまうんですよ。
多くのかたが経験があることだと思うのですが、怒られている最中に「あと少し黙っていれば終わる……。きょうの夕ご飯はなにかな?」なんて考えていたことはないですか?
こうやって今自分が置かれている状況から心を乖離させることで、自分を守っているのです。まともにその怒りを受け止めていたら、自分がつぶれてしまうから。
それに怒るということは、怒っている人間の気分次第というところがありますよね。機嫌が良いときは怒るようなことでなくても、機嫌が悪いときだとつい声を荒げてしまう、というような。
しかしそれは子どもからしたら、いつ何時、どこから弾が飛んでくるかわからないという状況です。
そのような状況では、子どもはリラックスすることができず、常に家庭の中で緊張状態ですごすことになります。