キミも大怪獣になれる! 記念撮影コーナー
続いての記念撮影コーナーでは、モニターの正面に立ち、都庁などの模型の上から顔を出せば、怪獣になったような映像が画面に映し出される。
さっそく矢部さんが実演。「これ、森ビル社員が新宿を再開発しようとしてるわけじゃないですからね。そんな報道はしないでください!」
はい、と言うか、言われれば逆にそう見えてくるが……。
円谷プロダクションとの協力による、昭和のウルトラ怪獣出現場所一覧も登場。葉山に現れたラゴンや横浜を襲ったゲスラなど、ボードで紹介されるだけでなく、これもGoogleマップの映像で実際の出現地まで見ることができる。
そして順路を進むと、「怪獣」、「悪の組織」に続く3つ目のテーマへとたどりつく。東京タワーを中心とした、東京の広大なメインエリアの模型。
ふたつの巨大スクリーンで映し出されるのは、漫画家・永井豪の描いた不朽の名作『デビルマン』のデーモン軍団大功勢のシーン。そして、『機動警察パトレイバー』などの押井守が監督した短編映像作品『東京スキャナー』である。
ここは、言うなれば「子どものトラウマゾーン」。ひょっとしたら都市から脱出すれば逃れられるかもしれない怪獣とは違い、空がデーモンによって覆いつくされてしまった世界や、空撮によって都市のあらゆる建物や、そこに住まう人々が監視されている映像を見せることで、「逃れようのない恐怖」を演出している。
『東京スキャナー』は、森ビルのPR映像のはずが、広告的なことには一切ふれられていない。押井監督に制作を依頼した矢部さんは語る。
「最初の役員試写会のとき、これで矢部もクビだな、という言葉が出ましたが、後でいろいろなところから評価いただけて。特に最初、当時の森美術館長・エリオットさんから素晴らしいと言っていただき、首がつながりました」
いわく、「当時語っていれば絶対OKがもらえなかった」であろう制作秘話もこちらで公開中だ。14年前の、ハイビジョンで撮影された一番古い東京の空撮。貴重な映像を大画面で楽しもう。
また、写真で撮影すれば本物と見紛うほど精巧な模型の中には、いま話題の豊洲市場を襲うガメラの姿も。今後も怪獣が増えていくなどアップデートを繰り返していくそう。展覧会仲間を募り、更新されていく模型の様子をSNSで報告しあうのも面白そうだ。