【第10位】『サーミブラッド』 満足度:80.8点
俳優:4.4
ストーリー:3.8
音楽:4.4
演出:3.8
中間発表で高位置につけていた社会派ドラマは第10位。
スウェーデンの少数民族サーミ族に対する差別の歴史をテーマにしており、この問題の存在自体、初めて知ったという観客も多かったよう。一方で、少女を主人公に青春映画にも仕上げており、主人公の女優への称賛も多数寄せられていた。
【第9位】『ダイ・ビューティフル』 満足度:82.1点
俳優:4.8
ストーリー:4.2
音楽:3.2
演出:4
フィリピン発のトランスジェンダーの主人公の波乱と個性に満ちた人生を巧みな構成で描き出したヒューマンコメディは第9位にランクイン。
死を暗く描き過ぎず、笑いと温かさに満ちた物語に仕上げており、俳優への高評価に加え、ショーの部分も観客を大いに楽しませたようで、項目別では音楽も高得点を得た。
【第8位】『雪女』満足度:82.2点
俳優:4.5
ストーリー:3.9
音楽:4.2
演出:4
日本からコンペティション部門にノミネートされていたうちの1本『雪女』は第8位。
国際映画祭に出品される日本映画にふさわしい、映像表現や繊細でセンシティブな“美”を評価する声が多数、寄せられた。決して難解なわけではないが、様々な解釈を観客に促す作風に対する評価も高かった。
【第7位】『フィクサー』 満足度:84.0点
俳優:4.5
ストーリー:4.3
音楽:4.3
演出:4.5
売春で摘発され、パリからルーマニアに送還された少女を追うTVクルーを通じて、ヨーロッパの闇を描いた社会派ドラマが項目別でも全項目で4.3以上、満足度でも84.0点という高評価で第7位に。
「少女の姿がリアル」「過剰な演出のないリアルさに惹かれた」など、ことさら大げさに描くのではなく、リアリティを重視して社会問題に迫った点にも多くの称賛が寄せられた。
また、主人公のジャーナリストの親子のドラマを描くことで、社会問題に対する描写がより深まったという声も。
【第6位】『ビッグ・ビッグ・ワールド』満足度:84.3点
俳優:4.7
ストーリー:3.8
音楽:4.0
演出:4.8
離れて里親と暮らす妹を気にかける兄が、彼女の奪還を決意し、妹と共に森へと逃げるという物語だが、俳優:4.7、演出:4.8という高得点をたたき出し、満足度も84.3と高評価!
特にほとんどセリフがない中で、大自然の描写で見る者を引き込んでく手法に多くの称賛が寄せられた。
音と映像を重視し、人ではなく自然を主人公とするかのような独特の世界観の作品は何回でもあるが、多くの観客の心をとらえたよう。
【第5位】『アズミ・ハルコは行方不明』 満足度:84.6点
俳優:4.6
ストーリー:4
音楽:3.9
演出:3.9
日本からのもう1作、蒼井優主演の『アズミ・ハルコは行方不明』は満足度84.6点で第5位にランクイン!
特に主人公と同世代の女性から「見ていて苦しくなったけど面白い!」「共感した」という声が多く寄せられた。
『雪女』とは全くタイプの異なる、“現代日本”を海外の観客および審査員がどのように捉えるのかも興味深いところ。蒼井優、高畑充希ら女優陣を称賛する感想も多く、女優賞への期待も高まる!
【第4位】『7分間』満足度:86.0点
俳優:4.5
ストーリー:4.4
音楽:3.6
演出:4.1
中間発表の時点で第1位だったイタリアの社会派サスペンスは第4位。
不況によるリストラの断行、若者や女性の失業率の高さなど、まさにイタリア、そしてヨーロッパの“いま”を描いた作品で、日本の観客から見ても決して他人事ではないリアリティをもって心に迫ったよう。
一方、『12人の怒れる男たち』に言及する感想が多く寄せられたように、スリリングな会話劇として上質なエンターテイメントに仕上げている点が多くの支持を集めた。