ただし注意点も 60歳まで原則解約NG
ただし注意点もいくつかあります。
まず、一度始めたら60歳まで解約できない、ということ。積立をストップしたり、毎月の積立額を減らすことはできますが、すでに入金したお金やその利息等を解約することはできません。これは老後の目的に使うという約束のもと、税金を免除しているからです。
そのため無理のない積立額にして、目の前の生活に支障がでないようにする必要があります。
また、金融機関によってサービスがまったく違います。国の年金制度といっても、銀行、生保、証券会社など口座を開設する金融機関によって手数料や運用の選択肢が異なってくるのです。この点については「iDeCoナビ」など比較サイトを活用してみるといいでしょう。
お金の増やし方は自己責任だが、最初は定期預金でもOK
ところで、確定拠出年金について少し知っている人は「これは自己責任の制度だから、株とか投資をしなければいけないのでは?」と怖がっているかもしれません。
確かにiDeCoのお金の増やし方は自分で決めることができ、その結果が自分の老後資金の増減に直結する仕組みです。しかし、「安全な運用」をすることもできます。
例えば「定期預金100%」で運用を指示すれば、超低金利とはいえ元本割れはありません。税金で得するだけでも十分に有利なお金の増やし方になります。
また、「定期預金75%+投資信託25%」というように組み合わせて、株や債券で運用を部分的に行うこともできます。この場合、運用がうまくいかなくても75%相当は元本割れしませんし、運用がうまくいけば、超低金利とは比べものにならない利回りに育ちます。
運用の方法は自分で自由に決められますので、難しいと思う人は無理をせず定期預金でもいいでしょう。
自分の「退職金」を自分で作る
iDeCoは「自分で自分の退職金を増やす」方法ともいえます。
専業主婦なら「今までなかった自分名義の退職金」になります。自営業の人も、自分で自分の退職金を作らなければ退職金はもらえません。
会社員や公務員であれば、会社の退職金があるものの、近年ではあまり増えないのが現状です。iDeCoを使えば「会社の退職金に加えて自分だけの退職金を追加する」ということができます。
金融機関のパンフレットや広告などでiDeCoが目についたら、ちょっと注目してみてはいかがでしょうか。