親は子どもが“どんなタイプなのか”を見極めるべし

ーーもしも、大学受験や司法試験の際にご両親が佐藤さんに過度な期待をかけていたら、佐藤さん自身はどうなっていたと思いますか?

佐藤「先ほども話したように、私は自分自身にプレッシャーをかけたり、ハードルを高めに設定したりして、不安になるタイプなので、もしも両親が私に対して何か期待を持っていたらプレッシャーに押しつぶされていたのではないかと……。

とくに司法試験というのは、周囲には精鋭が集まっていてしかも皆かなり勉強しているので、その様子もプレッシャーになります。

自分からのプレッシャー、周囲からのプレッシャーに加えて親からのプレッシャーもあったらかなり辛かったのではないかと思います。

たぶん、司法試験も受からなかったんじゃないかなって。

ただ学生の時に、同じように司法試験を目指している学生にも『言われなくても自分からやるタイプ』と『言われないと少し怠け心が出てしまうタイプ』がいるという話を聞きました。後者の場合は少々プレッシャーをかけるという方法もありなのかなと感じるところはあります。

親自身も、自分の子どもがどちらのタイプなのか?という見極めは大事ですよね。

参考書などもすべて親が準備してくれているので、勉強に対して受け身になってしまい、なかなか結果が出ないという人もいました。そうなるとさらに親からプレッシャーをかけられることになるので、鬱になってしまったり……。

前者のタイプだった場合、親は期待している雰囲気を出してしまうことをぐっとこらえるという対処も必要だと思います。」

佐藤さんの決定力や独学力を育てた“両親の言動”とは

ーー佐藤さんが大学〜司法試験まで、自分自身で物事を決定し、独学で頑張る力を身につけることができたのは、ご両親のどういった言動が影響していたと思いますか?

佐藤「やはり『何も言わない』ということが影響していたと思います。

両親は、大事なことを決める時に、私や妹にアドバイスもなければ否定もなかったので、もう自分で決めて、自分でやるしかなかったんですよ(笑)

決めた後も何もそれに関して言及してこないですし、気持ちをブレさせる発言もなかったです。

父と母は全然性格が違う者同士なのですが、子どもに対して『好きなことを好きなようにやればいい』というスタンスは一致していたんですね。

そのおかげで、社会に出てからも『弁護士なら普通はこう働く!』という概念に縛られずに自分自身の好きなことをできていると思います。

両親はとくに意識してそのように育てたわけではないと思うのですが、その両親のスタンスが、弁護士になったことや今の働き方の礎になっていると思うので、本当に感謝していますね。」

弁護士先生と聞くと、少し近寄りがたい雰囲気の人を想像してしまいますが、穏やかでふんわりとした雰囲気がいい意味で弁護士っぽくない佐藤さん。

そんな優しい気取らない雰囲気の中にもしっかりとした信念を感じられる素敵な女性でした。

そんな佐藤さんの著書『超難関校に「独学で合格」』は、これから受験を控える受験生はもちろん、まだ子どもが小さいながらも、今後の教育への関わり方を模索しているママにもぜひ手にとってほしいバイブル。

今後の教育に関する精神的、経済的な不安に一筋の光をくれる一冊です。

ライター&エディター。マーケティング、広告関係の職種を経て、出産をきっかけにライターに。現在は女性向けや子育て関連等のwebメディアでライター、エディターとして活動し、2歳児のマイペースな息子にのんびり育児を実践中。猫と焼肉とビールをこよなく愛するテンプレート小市民。