ポッチリ(フグちり) 釜山

冷めにくい土鍋で煮込まれたウンポッチリ10000ウォン

日本でフグ料理というと高嶺の花という感じがするが、韓国ではフグの種類にこだわらなければわりと気軽に食べられる。

釜山のビーチリゾート、海雲台(ヘウンデ)にある「クムスポックッ」はその代表格。2階では高級なトラフグ料理を出しているが、1階では安価なシロサバフグ使ったウンポッチリ(フグちり)の小鍋立てが10000ウォンで楽しめる。

澄んだスープは淡白で日本人好み。たっぷり入ったセリが清涼感を添えている。韓国らしい刺激がほしければ、ウンポッチリに唐辛子粉を加えたウンポッメウンタンもある。いずれも前の晩、お酒を飲み過ぎたときの朝食にぴったりだ。

クムスポックッ釜山本店
海雲台区中洞1394-65  TEL:051-742-3600
24時間営業 無休

ファンテ・ジョンゴル(干しスケトウダラの鍋) 平昌

スケトウダラだけでなく、キノコ類もたっぷり入っているので40000ウォンはお得感がある

スケトウダラは大衆魚のイメージが強いが、そのスケトウダラを雪深い山村で夜間冷凍→昼間解凍を繰り返して干したものはファンテ(黄太)と呼ばれ、韓国では高級食材として扱われる。その身はふわっとしていて肉質がやわらかく、香ばしい。

2018年の冬季オリンピック開催地、平昌(ピョンチャン)は、まさにそのファンテの干場があるところ。観光バスが次々に乗り付ける人気店「ファンテ会館」では、そのファンテがメインの鍋が楽しめる。

春菊、シイタケ、エノキダケ、シメジ、エビ、カラス貝とともに、肉厚なファンテがたっぷり入った鍋は、スープに旨味が凝縮され、淡白だがじつに深い味わい。

ファンテ会館
平昌郡大関嶺横渓里348-4 TEL:03-335-5795
6:00~22:00 無休

フォトギャラリー美に効く!厳選「韓国料理」を写真でじっくり見る
  • 本場、全州「ヒョンデオク」のコンナムルクッパ。生卵が添えられる
  • 「ミョンウォルチッ」のペクパン7000ウォン。キムチチゲ(手前)と野菜をたっぷり摂れるおかず群
  • ソウル奨忠洞、豚足横丁のチョッパル。焼肉のようにサンチュで包んで食べてもいける
  • ソウルの専門店のサムゲタン。たいてい味が付いていないので、好みで塩を加える
  • 地方ごとに特色のあるマッコリがある。写真は半島南部の全羅南道(チョルラナムド)の離島、青山島(チョンサンド)のもの

鄭銀淑:ソウル在住の紀行作家&取材コーディネーター。味と情が両立している食堂や酒場を求め、韓国全土を歩いている。日本からの旅行者の飲み歩きに同行する「ソウル大衆酒場めぐり」を主宰。著書に『美味しい韓国 ほろ酔い紀行』『釜山の人情食堂』『韓国酒場紀行』『マッコルリの旅』など。株式会社キーワード所属。