賛成の理由:子供のことを考えるからこそ利用したい!

対する賛成派は、
「居酒屋に子供を連れて行ってはいけないという価値観がわからないです。ファミレスにだってお酒は置いてある」

「居酒屋と言っても、チェーン店であればファミレス同然」、「最近の居酒屋はファミレス化していて料理も豊富な上、子供用の食べ物を用意してある所もあります。これも時代の移り変わりなのでは?」という意見が多数。

ファミリーをターゲットにしている居酒屋が出てきている現在の状況を考えると、たしかに時代が変わってきている部分はありそうです。

「親が責任を持って、時間帯を考えて連れて行けばいいと思う。『子どもがいるからダメ』という風習をやめないと少子化はどんどん進むと思う」という意見にもうなずけるところがあります。

反対派の中には「子連れの居酒屋利用は親の都合」という意見もありましたが、「セットメニューでは好き嫌いやその時の調子でほとんど残してしまうので、単品で子供の好きなメニューを選べるのはありがたい!」

「本当に小さい子供のママが落ち着けるのは、個室でかつ、子供が転げ落ちる心配のない椅子以外の店だけです。となると、居酒屋ぐらいしか選択肢がないです」

「私の住んでいる下町では、子供の頃から居酒屋は近所のオヤジとの大切なコミュニケーションの場」など、子供の都合を考えて居酒屋を利用している人もいるようです。

賛成派と反対派の意見の共通点

賛成派と反対派。相対する両者かと思いきや、よくよく双方の意見を見ていくと、その考え方には共通点がありました。

それは「モラルを守るべきである」ということ。何が何でもダメ!という反対派は少数で、早い時間帯で周囲への配慮があれば良しとする人が多くを占めました。

特に「夜更かしは子供の成長の妨げ」といった、居酒屋という場所の問題ではなく時間帯を問題視する声は、賛成・反対の双方に多く見られました。

「地元の沖縄では夜型生活を見直そうと、中学生以下の児童を連れての居酒屋利用は夜10時退店、入店も夜9時以降はお断りするようになり始めています」と、地域によっては居酒屋が規定を作るケースもあるようです。なお、今回のアンケートで具体的な時間を示した回答のほとんどは「20時までなら良い」という見解でした。

賛成派も手放しに子連れ居酒屋を良しと捉えているのではなく、「ちょうどお昼寝の時間に合うように居酒屋の個室を予約し、一緒に行く友人にも協力してもらっています」、「連れて行く居酒屋は子供を連れて行っても安心なお店を選んでいます」など、それぞれ子供のことを考えた工夫をしています。

「夫婦どちらかはノンアルコールできちんと子供を見るべき」という声も見られました。

まだまだ世間の“いざか族”に対する目が厳しいことを考えると、「居酒屋が子供をターゲットとして視野に入れるのならば、子連れの客には禁煙席への案内を徹底し、夜8時以降の入店は禁止するなど、店側の配慮を徹底していくことが世間の居酒屋に対するイメージを変えていくと思う」という回答の通り、子連れ居酒屋へのイメージアップは不可欠。

そして、「子供優先の場所、大人優先の場所、共存する場所。棲み分けは重要だと思います」という意見の通り、お店の区別や時間帯の工夫で、みんながハッピーになれる方法はありそうです。

子連れで居酒屋を利用するときは、子供と周囲への気遣いを忘れないこと。周りも「子連れ居酒屋なんて!」と一括りに否定しないこと。両者がこのような意識を持てれば、“いざか族”が認められる日も近いかもしれませんね。

エディター&ライター。オーストラリアで編集・ライターとして活動中。働く女性向けのウェブマガジンでの編集経験から、現在過渡期にある女性の働き方や生き方に関心あり。中でも最近一番の興味は、世界各国の仕事観やワーキングマザー・共働き事情。