新春といえども、まだまだ春は遠く、インフルエンザや風邪のウイルスが猛威を振るっています。マスクやうがい、手洗いなどの予防はしているけれども、やはり根本はウイルスに勝つ強い体づくり。
今回は家族の強い体をつくるための、インフルエンザと風邪対策におすすめの食材、そして効率のよい食べ方を管理栄養士の筆者がご紹介いたします。
1.にんじん
冬が旬の代表野菜でもあるにんじんは、今が甘くて美味しい食べごろ。しかし、美味しいだけでなく、今だからこそ食べたい理由があります。
それは“インフルエンザ予防”や“風邪予防”になるから。
インフルエンザや風邪などの感染症予防で大切なのは、「免疫力を高めること」。
にんじんにはβ-カロテンが豊富に含まれており、鼻や喉の粘膜を健康に保ちウイルスからの攻撃を守るため、感染症予防に働きかけてくれます。
さらに鉄分やビタミンも豊富なので、血行促進となり体温を上げやすくするにんじん。体温が高まることで、ウイルスへの抵抗力も強まります。インフルエンザや風邪が流行っているこの時期は、積極的に食べたい野菜の1つです。
油と一緒に摂取するとβ-カロテンの吸収率もアップするので、野菜炒めや天ぷらなどで食べるのがおすすめです。また、加熱してにんじんの細胞壁を壊すことでもβ-カロテンの吸収率がアップするので、野菜ジュースにして飲むのもいいですね。
2. トマト
真っ赤な野菜といえばトマトですよね。あの赤い色は“リコピン”というβ-カロテンの2倍、ビタミンEの100倍もの優れた抗酸化力を持つ成分。活性酸素による体のダメージを防ぎ、感染症予防にも働きかけてくれます。
生のトマトより加工品の方が2〜3倍もリコピンを吸収しやすく、特にトマトジュースで摂取すると、3.8倍もリコピンの吸収率がUPします。さらにトマトには、免疫力を高めるビタミンCや疲労回復効果のあるクエン酸やグルタミン酸も含まれています。
「トマトが赤くなると医者が青くなる」と言われるように、風邪・インフルエンザの予防としてはもちろんのこと、万一かかってしまっても、早く回復するための栄養分がトマトには詰まっているので、積極的に摂りたい野菜ですね。