ジブリからも影響を受けた自然の物語
『モアナと伝説の海』は、ポリネシア文化から大きな影響を受けています。
「海」を一つのキャラクターとして描いており、そこには自然と共生する現地の人々の考え方が反映されています。
自然と共に生きることは日本では当たり前のように受け入れられる考え方で、ジブリ作品にもよく表現されています。
『リトル・マーメイド』や『アラジン』など数々の名作ディズニー映画を作ってきた監督が、「これまでで最も宮崎駿監督から影響を受けた作品」と語る『モアナと伝説の海』。
「宮崎駿作品では、自然との関わり方が語られていて、それが魔法のように描かれること、女性キャラクターの魅力や感情の届け方が好き」で、今作でもその思考を取り入れていると言います。
ちなみに、モアナのお婆ちゃんの日本語版声優は夏木マリさん。
『千と千尋の神隠し』で湯婆婆の声優を務めた夏木マリさんに会った監督は大感激していました。
見事なCG
ディズニーの最新技術で描かれる海と自然のアニメーションも見どころの一つ。
『モアナと伝説の海』の制作に入る前、監督たちは南太平洋の島々を視察旅行しました。
そこで、長老に「長年私たちはあなた方の文化に飲み込まれてきたので、今回一度くらいは私たちの文化に飲み込まれてみませんか? 」と言われたそうです。
監督たちが感じた島々の文化は、平面の絵画ではなく立体的な彫刻が伝統的に作られていました。
手描き風アニメーションで描くか3DCGアニメーションで描くか考えていた監督たちは、彫刻的なデザイン、自然への尊敬という南太平洋の文化に感化され、“古い”物語ながら最新のCGを選択したのです。
しかし、単に最新のCGを使うだけではないのがディズニー。
マウイのタトゥー(ミニマウイ)には手描きアニメーションが用いられています。
このタトゥーを描いたのは、『アラジン』のジーニーなどを生み出した伝説的アニメーター、エリック・ゴールドバーグ。
ディズニーの伝統的な手描き技術と最新のCG技術が融合した映像に注目です。
『モアナと伝説の海』は、2020年3月22日(日)19:00〜フジテレビ系で本編ノーカット地上波初放送。