自閉症児に見られる言動
●オウム返しの言葉・・・相手が「何が食べたい?」と質問しても、「何が食べたい」とそのまま返す。
●クレーン現象・・・高いところにある取れない物が欲しいとき、ママの腕を道具のように使う。
●逆さバイバイ・・・自分が見たように、手のひらを自分側に向けてバイバイする。
ただし、みんながみんなこれが出る訳ではありません。
自閉症は後天性ではない
自閉症は、生まれつきの脳機能の障害であることはわかっています。ただし、どうして機能障害が起こってしまったのか、医学的にはっきりとした原因は未だにわかっていません。
自閉症啓発ポスターに「僕は自閉症になったんじゃない。自閉症に生まれてきただけ」という言葉が載っています。まさにこの言葉通りで、後天的に生じた病気や性格や個性ではないのです。
ですから、次は誤りです。
- × 小さい頃、あまり抱っこしてやらなかったから自閉症になってしまった。
- × 愛情不足で自閉症になってしまった。
- × テレビを見せ過ぎたから自閉症になってしまった。
- × 言葉をあまりかけてやらなかったから自閉症になった。
- × 子どもの頃、人嫌いで自閉症だった。
親の育児の仕方やしつけの問題で自閉症になるわけではありませんから、「自分の子育ての仕方が悪かった」などと、親自身を責めることをしてはなりませんよ。
自閉症に気づくきっかけ
自閉症に気付くきっかけで多いのは、年齢にそぐわない言葉の遅れです。ただし、障害程度が軽い場合はよく喋ります。
通常「言葉を交わす」ということは、単語をたくさん羅列できることではなく、相手との親密度、視線、表情、身振り手振り、抑揚といった非言語的手段を多く使っています。
●大人の例
大人の会話の例ですと、「検討しておきます」の言葉も、相手が発する声のトーンや表情で意味が180度違ってきます。きついトーンで険しい表情で言われれば“断り文句”、逆に柔らかいトーンで笑顔で言われれば“積極的に検討しておきます”の意味にとらえられます。
けれども、自閉症の人はこれらがわからず、相手から“断りオーラ”を出されているのに、字面通り「検討してくれるんだ」と勘違いしてしまいます。