ベターな対応

世の中は突発的なことが起こります。「この子は自閉症児だから工事中でもこの道を通らせてあげよう」とはしてくれません。そんなことしたらケガをしてしまうこともあります。だから結果的には応じられない状況ですよね。

こんなときは次のようにしましょう。

  1. いきなり子どもを叱らないで、「いつもの道を通りたいよね」と一旦、気持ちに寄り添ってやる。
  2. そこは渡らないで、元いた場所に引き返す。
  3. なぜ通れないか、理由を説明する。いつもの道が工事中で危険になったことを、納得するまで話をする。
  4. 地図を描いて、“迂回路”が用意されていること説明する。
  5. 迂回路を通って帰ることにより、早く家に到着し、大好きなパズルや電車遊びができる、我慢すれば楽しいことが待っている、と伝える。

すんなり「はい、わかりました」と言って、スタスタ歩くとは限りませんが、少なくとも座り込んで大声を上げることはなくなると思います。

筆者の息子の場合…

息子も幼い頃、“井の頭線は3000系の各駅停車にしか乗れない”というこだわりがありました。本人の希望通りその電車を待っていると、帰宅時間が遅くなってしまいます。

けれども、それは親の都合。本人にとってはまるで、大人が「この電車は、痴漢がたくさんいます。座席も糞便で汚れています。でも、乗りなさい」と命じられているようなものでした。

息子の希望に応じたとしても、単に帰宅が遅くなり、家事をする時間が押せ押せになるだけで、ケガをしたり命にかかわることではありませんでした。

それよりも、幼い頃に本人が苦痛なことを無理強いして「この世は、不安感で一杯なモノがある」とインプットしてしまう方が、のちのち問題になります。

まとめ

人間は、顔かたちや身体つきが違うように、発達の仕方も個人差が大きいです。

「ママとしか遊べず、友達と関わらない」「言葉の発達が遅れている」イコール「自閉症児に違いない」と、親の判断で決めつけないようにしましょう。

もし、不安であれば、どこも混んではいますが、発達障害を専門の扱っている精神科を受診するのも方法です。

いきなり病院に行くのが敷居が高い場合は、自治体の相談窓口(保健センター・子育て支援センターなど)に相談してみましょう。

今、その場に留まって悶々と時を過ごしているより、子育ての方法が見えてきて、道が開けますよ。勇気を持って、一歩前進してみませんか?