1歳2歳くらいの頃であれば、たいていの子は、まだまだママと子どもとの関係性が強く、積極的に友達と一緒に鬼ごっこをしたり、公園の砂場で友達と協力して、山や池を作ることもしません。また、周りに合わせて集団行動することも、あまりありません。
けれども、3歳過ぎてもこれらが強い場合は、もしかしたら、自閉症なのかもしれません。
今日は、自身の子どもが自閉症である『子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方』の著者の立石美津子がお話します。
自閉症とは
自閉症は発達障害の一つです。
発達障害とは主に次の3つを差します。発達障害の可能性がある通常学級に在籍する児童数は文科省の調べで6.5%いると言われています。(以下は世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)ICD-10に準拠した分類)
■広汎性発達障害(PDD:pervasive developmental disorders)
自閉症・アスペルガー症候群・レット障害・小児期崩壊性障害・特定不能の広汎性発達障害を含んだ総称
■注意欠陥・多動性障害(AD/HD:Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)
年齢的に相応した言動などに不注意・多動・衝動性の症状が複数見られる。
■学習障害(LD:Learning DisordersまたはLearning Disabilities)
知的には問題はないが「読む・書く・計算」などの特定の能力を要する学習が極端に困難な状態
※アメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)では自閉スペクトラム障害(ASD)、注意欠如/多動性障害(AD/HD)、限局性学習障害という名前になっています。
自閉症の特徴
最近は自閉症スペクトラムという呼び名が、多く使われるようになりました。スペクトラムとは、連続体という意味です。
自閉症には、重度・中度・軽度があり、障害程度により虹やジュースの濃淡のように、その特徴が色濃くでる子もいれば、そうでもない子もいます。発達障害の中に含まれる自閉症は、軽度を差します。いわゆる“グレーゾーン”と呼ばれる子ども達です。
程度の差はあれ、次の特徴があると言われています。
- 社会性・対人関係の障害
- コミュニケーションや言葉の発達の遅れ
- 行動と興味の偏り
例えば
- 相手との距離感がうまくつかめない。
- スケジュールを厳守し、予定が変わると不安に思う。
- 新しい場所に馴染めない。
- 道順を変更できない。
- ルール違反を極端に嫌う。
- 一定のパターンに固執する。
- 感覚過敏があり、粘土や糊など嫌う場合もある。偏食の子もいる。
これが崩されると不安になり、自傷などを行い、パニックに陥ります。また、次のような特徴が見られる場合もあります。